この記事の目次
「どうしてもカードローンの審査に落ちてしまう」「すでに多重債務だから借りられない」といった悩みは尽きることは内容でネット上などに多く存在しています。
そんなときにふと思ってしまうのが「他人の名義で借りたらいいのではないか」ということです。
もちろん犯罪行為なのでやってはいけませんが、ここではなりすまされた場合も含めて「他人になりすましてカードローンを利用することができるのか」という点について解説していきます。
「できるかどうか」であれば「できる」
まず端的に「なりすまして借りることができるかどうか」であれば「できる」という答えになります。
事実他人になりすまされてお金を借りられて、請求が来たため発覚したという事例もいくつかあり、国民生活センターのホームページでも事案紹介という形で掲載されています。
相談内容
貸金業者A社から「4年前に融資したカードローンの返済が昨年秋頃から滞っている。残債を返してほしいが本人の携帯電話にかけてもつながらない」という電話が実家にかかってきた。まったく身に覚えがなく、A社に連絡したところ「インターネット上で融資の申し込みがあり、無人契約機で運転免許証等の提示を受けた。申込用紙に携帯電話番号が書かれている」等の説明があった。 以前、運転免許証等の公的身分証明書を紛失したことがあり、別人が自分になりすまして借金したのではないかと思った。その旨をA社に伝えたところ、A社からは「警察で被害届が受理され、その写しを送ってくれれば対応する。ほかにも複数の貸金業者からの借金があるようだ」等と言われた。 借金はまったく身に覚えがない。請求を取り下げて欲しい。
(20歳代 男性 給与生活者)
調べてみるとなりすましをされた理由として「なくした免許証や保険証を使われてしまった」「偽造された身分証で融資を受けた」「家族や近親者が名義を勝手に使った」などのパターンがあるようです。
金融機関側もただなりすましに手をこまねいているわけではなく、本人確認の精度をあげており被害の総数自体は減っているとされています。
ただしどうしても100%確認できるというわけではないので、現在でもなりすまし被害の撲滅があるというのが現状です。
無論犯罪です
当たり前ですが他人の身分を勝手に利用して融資を受ける行為は犯罪です。
具体的には有印私文書の偽造や公使、詐欺罪などの犯罪に当てはまります。
実際に訴訟されるかどうか、もしくは訴訟するかどうかは被害者側である身分を利用された人や金融機関が判断しますが、犯罪行為なので絶対にやってはいけません。
また利用される側の人が同意していたとしても、他人に名義を貸す行為はこれらの犯罪の幇助となる可能性が高いです。
また無断利用であれば犯罪被害者ですので返済義務などはありませんが、同意したうえで契約を結んだ場合はその契約の責任を負わなくてはなりません。
ですから友人や知人、家族などの頼まれたとしても絶対に名義の貸し出しを行わないようにしてください。
「返す気があればなりすましなんてしない」つまりほとんどの場合ばれてしまう
「犯罪でも発覚しなければよい」と考える方もいるかもしれませんが、現代では本人確認の精度が向上しているので、相当な工夫でもしなければなりすましで融資を受けること自体が難しいです。
またそもそもの話ですが、
「お金をかりて滞納も未納もせずに全額返済する余裕がある人」
という人は他人の身分になりすましてカードローンを利用しようなどと考えませんしやる必要もありません。
他人になりすましてでもカードローンを利用しようという人は、自分に返済能力がなく借りられない人か初めからだまし取るつもりで融資を受ける人だけです。
ですから他人になりすましてお金を借りても「滞納→金融機関からの催促」という流れで発覚する場合が多いです。
なりすまされた場合はどうする?警察に相談を
もしなりすまし被害にあってしまった場合は、カードローンを提供した金融機関に相談すると同時に警察、場合によっては弁護士など専門家や公的機関に相談するようにしましょう。
当然ですが、自分が知らないところで勝手に借りられたお金については返済する必要はありません。
ただ貸付を行った金融機関としても会社が独自でなりすましかどうか判断するのは難しいので、第三者機関である警察に被害届を出すことになります。
一部の闇金では警察に届け出をすることをせずに適当な理由をつけて少しでも取り立てようとする事があるようですが、闇金のような違法な高金利金融機関からの借入はそもそも返済義務自体ありませんし、運営自体が違法行為なので相手にせずすぐに警察に連絡しましょう。
金融機関とのやり取りの中で問題やトラブルなどが出てきた場合は、各地の法テラスをはじめとした弁護士、また各地に設置されている消費生活センターに相談することをお勧めします。
またなりすましで利用されてしまった分についての信用情報は当然ですが修正されます。
まとめ「人の免許証など身分証を使って融資を受ける行為は犯罪です」
本人との同意があったかどうかは関係なく、他人の身分証や名義を利用して融資を受ける行為は犯罪なので絶対にやってはいけません。
また名義貸しについても同様に犯罪となる可能性があるので、軽い気持ちでも他人に名義を貸す行為や身分証を貸し出すような行為はやってはいけません。
もしなりすまし被害にあった場合は、返済に応じる必要はないので警察に相談するようにしてください。
場合によっては法テラスや弁護士など専門家の方に協力を依頼することも大切です。