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カードローンを借りるのであれば、銀行系がいいと考えている人は多いと思います。
ネットでの口コミを見ると、銀行系の審査は厳しいと言う人がいる反面、緩いと記載しているブログなどがあります。
はたしてどちらが本当なのでしょうか。銀行系の審査方法を審査経験者が話をしたいと思います。
カードローンの種類と根拠法を覚えよう
カードローンには、銀行系、信販系、消費者金融系とあります。
審査の内容や基準等は企業秘密になっており、一般的には公開されていません。
私の勤めていたところの審査基準などを照らし合わせて、詳細はお伝えできないのですが、だいたいのイメージは話が出来ます。
しかし個別の審査基準を知らなくても、審査の基準となっている大元の法律を覚えておくことで、どう言ったことに気をつけなければいけないのかある程度は推測できるでしょう。
○信販系
信販系については、クレジットカードと、クレジットカードについてくるキャッシングになります。
そして信販系の審査で基準となる法律が、割賦販売法と貸金業法になります。
クレジットカードが割賦販売法、キャッシングが貸金業法になります。
○消費者金融系
消費者金融系の基準となる法律が、信販系のキャッシングと同じ貸金業法になります。
そして信販系、消費者金融系ともに、貸金業法の総量規制が重要な法律となってきます。
○銀行系
銀行の場合は銀行法、労働金庫は労働金庫法など団体によって法律が異なります。
いずれにせよ、貸金業者に該当しないため総量規制は関係ありません。
銀行は公共性を保つため信用維持を保たなければいけません。
そして預金者保護を念頭に置いて、銀行業務の健全で適切な運営を行う必要があります。
預金者のお金を貸しているため回収不能とならないように注意をする必要があるのです。
※総量規制とは、キャッシングを利用して多重債務に陥り、借金苦の人があまりにも出てきたために出来た法律です。
年収の3分の1までしか消費者金融と信販系のキャッシングでお金を借りることが出来なくした法律になります。
1社あたりが年収の3分の1ではなく、借りているお金の総合計が年収の3分の1です。
※多重債務とは、複数のところからお金を借りていることになります。
そのため生活が困窮し、返済が滞っていく状態のことです。
Q1-4. 貸金業法の対象となる「貸金業者」とは、どんな業者ですか?
A1-4. お金を貸す業務を行っており、財務局又は都道府県に登録をしている業者のことを、「貸金業者」といいます。具体的には、消費者金融、クレジットカード会社などが貸金業者です(※)。銀行や、信用金庫、信用組合、労働金庫なども、様々な融資を行っていますが、これらは「貸金業者」ではありません。
※ より正確には、次のとおり、場合に分けて考える必要があります。
(1) クレジットカードで現金を借りる場合(キャッシング)
クレジットカード会社は、「貸金業者」として「貸金業法」に基づき、金銭の貸付けを行います。したがって、キャッシング取引には、「貸金業法」が適用されます。
(2) クレジットカードで商品やサービスを購入する場合(ショッピング)
ショッピング取引については、「貸金業法」は適用されません(リボ払い、分割払い、ボーナス払いには、別途「割賦販売法」が適用されます。)。
消費者金融は間口が狭い!意外と審査が厳しい理由
先に各カードローンの審査を行うための、根拠となる法律を記載しました。
そこで消費者金融は貸金業法に縛られていることの話をしたところです。
貸金業法は、消費者金融系、信販系以外にも流通系やIT系にも適用されるものです。ようは銀行系以外のカードローンと言うことを指しています。
ちょっと話がそれてしまいましたが、補足説明として加えさせていただきました。
では本題に戻っていきます。
消費者金融系でカードローンを申し込みすると、ほとんどの人が審査に通過すると思っている人がいるようです。
しかし、これは大きな勘違いになりますので注意をしてください。
実は消費者金融に申し込みをした人は、2人に1人以上の人が審査に通過できません。50%以下の通過率なのです。
それほど審査が緩いと言うことではないのがお分かりいただける数字ではないでしょうか。
審査に通過した人は単に、申し込みをした消費者金融の審査基準と相性がよかったにすぎません。
決して審査が緩いと言うことはないのです、口コミで審査が緩いと言うことを目にしたとしても、それを鵜吞みにしない方がいいでしょう。
総量規制で年収の3分の1と言う制限が設けられているため、ある程度しっかりとした基準で審査を行わなければいけません。
そのため一昔のように誰でもお金が借りやすいと言う状態はなくなったのです。
以前は働いていない、専業主婦でも簡単に借りることが出来るため、貸しすぎが問題視されました。
なぜ問題視されたかというと、多重債務者が増え生活困窮者が出てきたと、社会問題になったのです。
景気で低迷していたため、夫の収入が減り、失業者も増えたため借金の返済が出来ない人が多く出てきました。
景気低迷と相まって、貸しすぎ防止策として総量規制が制定さて規制が始まったわけです。
したがって、今では消費者金融と言えども気軽に借りられる存在ではなくなりました。意外と消費者金融は間口が狭いのです。
銀行系は実は受け付けをしているだけその実態に迫る
次に銀行系のカードローンについて話をしていきます。
まず、金利の比較について下の表にまとめました。また、保証会社についても記載しておきます。
銀 行 | みずほ銀行 | 三井住友銀行 | 楽天銀行 | ソニー銀行 | |
金 利 | 14.00% | 12.00~14.50% | 14.50% | 13.80% | |
返済額
|
1千円~2千円未満 |
1万円
|
1万円
|
2千円
|
2千円
|
2千円以上~10万円以下 | |||||
10万円超~20万円以下 |
5千円
|
4千円 | |||
20万円超~30万円以下 |
6千円
|
||||
30万円超~40万円以下 |
1万円
|
||||
40万円超~50万円以下 | 8千円 | ||||
保証会社
|
オリエント株式会社
|
SMBCコンシューマーファイナンス
株式会社 |
楽天カード株式会社 |
アコム株式会社
|
|
株式会社セディナ |
こちらの表は後ほど説明をします。
先に銀行系のカードローンの実務について話をしていきますので、頭の片隅に入れておきましょう。
上の表を見てもらうと気づく人は気づくと思いますが、銀行のカードローンの保証会社は消費者金融や信販会社になっています。
これはなにを意味しているかと言うと、お金を借りた人は通常銀行に返済をしなければいけません。
しかし返済が出来なくなったときにどうなるのかと言うと、保証会社が一時立て替えをして代位弁済をしてくれます。
代位弁済とは、お金を借りた人に代わって返済をすると言うことです。
そして代位弁済された借金は、どうなるかと言うと、代位弁済をしてくれたところに返済先が代わることになります。
支払いの条件などは、代位弁済先と交渉をすることになるのですが、銀行に返済するものが消費者金融や、信販会社に返済を続けることになるでしょう。
したがってなにもなければ、銀行に借りていることになるのですが、万が一のことがあれば消費者金融などに返済をすると言う形になります。
また、金利についても普通に銀行に支払いをしているようですが、銀行に支払いをしている金利の一部が、保証先に支払われていることになります。
したがって銀行では中間マージンを取っているに過ぎないという考えが成り立ちます。
また銀行ではカードローンの申し込みを受け付けたときには、特段審査らしいことはしません(簡単ではありますが信用情報の確認や、本人確認は行います)。
保証会社に審査を回し同意を得られればお金を貸してくれるのです。
考え方を変えれば、結局は銀行の名を借りた消費者金融であると言うことになるでしょう。
銀行が最も注意すべきことは預金者保護
銀行では銀行法ということを念頭に置いて、各種業務が行われているでしょう。
そして銀行法の第一条に預金者保護のことが明記されています。
銀行では預金者から預金を預かっていますので、これは言い換えれば、銀行が預金者から借金をしていると同じことなのです。
低利でお金を集めて、高利でお金を貸しているので、貸金業と差ほどやっていることは変わりがないと思いませんか。
むしろ消費者金融は、自社資金で貸しているわけですから、自助努力そのものです。
消費者金融と言えども、法律を守って営業をしているので、しっかりと法律に沿った会社はそう避難をされることはないはずです。
銀行は預金者のお金を貸しているため、戻ってこなければ自腹を切らなければいけません。
そしてなにより預金者の保護というものが、法律上明示されています。
したがって、貸したお金がどういう形であれ、戻ってくれば影響がないと言うことになるでしょう。
これはちょっと極端な話になってしまいますが、簡単に言ってしまえばこのような考えになります。
そのため保証会社で保証をしてくれると言ってくれれば、銀行ではお金を貸さない手はないのです。
万が一のことがあっても、お金が手元に戻ってきます。
しかも利息の分も戻ってくるのですから、これほど条件のいい貸し出しの商品はないでしょう。
自分のところで独自に審査をして、事務量を増やすのではなく、リスクを負うことがないので、金融機関では多少利息を安くしてもおいしい商売になります。
貸したお金が最終的に銀行に戻ってくれば、預金者に返さなければいけないお金の心配をする必要がないのです。
預金と貯金が異なるのは、こういった点になります。
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、銀行の業務の公共性にかんがみ、信用を維持し、預金者等の保護を確保するとともに金融の円滑を図るため、銀行の業務の健全かつ適切な運営を期し、もつて国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
2 この法律の運用に当たつては、銀行の業務の運営についての自主的な努力を尊重するよう配慮しなければならない。
保証会社を見比べてみよう!これでカードローン選定先が絞れる
ここまでで銀行のカードローンは安心、ブランド力があるという考えは変わりますか?
自分で考えているほど、銀行のカードローンが安心と言うことでないと言えませんか。
むしろ3回返済が遅れて、消費者金融や信販会社に返済先が代わるのは、なんだか安心とも言えないですよね。
返済先が代わるのであれば、最初から消費者金融で借りていても同じ様な気もします。
次に先ほど記載した表について話をしたいと思います。
銀行の保証会社を見ると消費者金融や、信販会社になっていると話をしましたが、これがどのようなことなのか話をします。
例えば三菱UFJ銀行銀行は、同グループ会社のアコムが保証会社となっているのが分かるでしょう。
これは系列会社で利益をあげる仕組みになっているのですね。
このようなことをするのは経営において、王道であると思います。
そしてこのことがなにを意味するのかと言うと、三菱UFJ銀行のカードローンの審査に落ちたと言うことは、アコムの審査に落ちたと言ってもおかしくはないでしょうか。
三菱UFJ銀行の審査に落ちた理由として、アコムの保証を得られなかったと言うことが考えられるでしょう。
そこで銀行よりも消費者金融が審査が緩いと勘違いして、アコムに申し込みをしたときにどうなるでしょう。
アコムの審査は1回受けていることになります。
もちろん審査基準は異なるので、必ず審査落ちすると言うことではありませんが、確率から言うと審査に通過するのは難しいと予想が出来るでしょう。
このように、銀行の保証会社を見て、カードローンの申し込みする場所を選ぶという方法が出来るのが分かりませんか。
無駄な申し込みを1つでも減らすコツではないでしょうか。
銀行系であっても消費者金融系でも実態に変わりはない
ここまで話をしてきて、なんだか銀行系のカードローンはよくなく、消費者金融のカードローンがお勧めですみたいな感じになってしまいました。
しかし決してそんなことはありません。
銀行は銀行の商品として工夫をしているところがありますので、人それぞれ自分に合ったカードローンがあるのは間違いがありません。
銀行が駄目だと言ってるわけではありませんので誤解をしないようにしてください。
銀行でも、消費者金融でも自分自身にあったカードローンを選ぶことが重要になります。
ただし、銀行に考えが偏らないために、銀行系のカードローンの実務を覚えてもらい、消費者金融系と実態に相違がないことを覚えておきましょう。
商品を選択するときの幅が広がりますので、ここでここまでのことを紹介をしました。
考えに偏りを持たず、自分にとってどのような商品がいいのかしっかりと比較検討をすることをお勧めします。
カードローンを利用するならこの1枚!と進めている人もいますが、用途や目的、生活体系によってお勧めするカードローンも変わってきます。
したがって、今回の記事はカードローン全体的な考えをの話をまとめていますので、特にお勧めする商品がないのです。
偏った考え方で商品を選択せず、しかりと自分に合った商品を探せるお手伝いとして、このようなカードローンの知識について話をしました。
審査のことを考えるよりも自分の現状を考える
カードローンを申し込みするときに、自分が審査に通るために審査が緩いところ、厳しいところを知りたい気持ちは分かります。
しかしここまで話をしてきたようにどこが緩く、どこが厳しいというのは明確には伝えることが出来ないのが現状です。
もしそのような記事を目にしたら、それはあまり信用をしない方が得策でしょう。
ただし、根拠法からある程度審査が厳しいかどうかと言うのは読み取れることがあります。
キャッシュカードと違うのですが、クレジットカードはある程度審査が緩いかも知れません。
詳しいことを話をすると長くなるので割愛をしますが、言いたいことは法律を読み解くことである程度不透明なところを明確に出来ると言うことです。
そしてなによりも、カードローンを申し込みするときには、審査がどうであるかを考える前に、自分自身の現状に目を向けてください。
生活を切り詰めることは出来ないのか、もしお金を借りたときにどのように返済がすることが出来るのか、月々いくらまでなら返済できるのかしっかりと考えましょう。
そして、借りられるお金の限度額を知っておきましょう。
長くても1年、出来れば半年以内で返せるお金を限度としてカードローンは利用をするのがいいと個人的には思います。