この記事の目次
カードローン利用者にとっても、最も関心が高いことは賢い返済方法はどのようなものかということではないでしょうか。
ごく完結にお伝えするのであれば、借りたお金に対して利息が発生するため、元金+利息を一定期間かけて返済するというものです。
しかし、実際カードローンの返済方法は、非常に複雑です。
返済方法なんか知らなくても良いという人もいるかもしれませんが、それを知っているのと知らないのでは大きな違いが生まれてくると思います。
カードローンの返済方法をご紹介し、どういう返済方法が一番賢いのか考えていきましょう。
カードローンの返済方法は複雑!!それぞれを解説します!!
返済方法をご紹介する前に言葉の解説をさせていただきます。
元利:元金(元本)と利息を合わせたものを示します。つまり、総支払額と考えてください。
元金:借りたお金の総額を示します。
定率返済:借入残高に一定の割合を掛けて返済金額を算出します。定率を元利に適応するのか、元金に適応するのかによって月々の返済金額が異なります。
定額返済:毎月一定金額を返済します。定額を元利に適応するのか、元金に適応するのかによって月々の返済金額が異なります。
基本的には、この4つをそれぞれ掛け合わせて返済方法が組まれます。
元利定率方式、元利定額方式、元金定率方式、元金定額方式の4つの方法が存在します。
●元利定率方式
元利(元金と利息)に一定の割合(定率)を掛けて、それを月々の返済の総額とするものです。
例えば元金を100万円、定率を5%と仮定しますと、100万円×5%=5万円が今月の返済総額となります。
その後返済が進み、元金が50万円になったと仮定しますと、50万円×5%=2万5000円が今月の返済額となります。
返済が進むほどに返済額が減ることがメリットになります。
これをみて疑問に思うことはないでしょうか。
この方式だといつまで経っても、返済が終わることがない、つまり利息を支払い続けなければならない返済方法になっているのです。
したがって、それを回避するために、最後の返済時に一括返済する必要があります。
●元利定額方式
毎月の支払い額を定額にする返済方式になります。
例えば、毎月の返済額が5万円と仮定しますと、この内訳は元金返済分と利息返済分が含まれています。
利息は元金に対して計算されるため、元金が多い返済開始当初は利息返済分が多くなりますが、返済が進み元金が経れば減るほど、利息返済分は少なくなり元金返済分が多くなります。
毎月の返済金額が一定であることから、家計や返済スケジュールの管理は非常に簡単ですが、返済期間が長くなるというデメリットがあります。
●元金定率方式
元金に一定の割合(定率)を掛けて、それを月々の元金返済金額とします。
これに利息が必要となりますので、元金に金利をかけて利息を算出し2つを足し合わせたものが、月の返済金額となります。
例えば元金100万円、定率5%と仮定しますと、100万円×5%=5万円が元金返済分となり、元金に金利をかけた金額が利息となります。
したがって、返済額は5万円+αとなります。
この返済方法のデメリットは、元利定率方式と同じで、いつまで経っても返済が終わらないため、利息を
支払い続けることになります。
したがって、最後の返済時に一括返済する必要があります
●元金定額方式
元金返済分を毎月一定額にする方法です。
例えば5万円を元金返済部分と仮定しますと、元金に金利を掛けて利息を算出し、これらを足し合わせたものが、月の返済金額となります。
元金が多い返済開始当初は、利息も多くなるため、総返済額が多くなり、負担が大きい返済方法ですが、元金が減れば経るほど、利息が少なくなるのが特徴です。
結果的には、この元金定額方式が最も利息を支払わなくて良い返済方法となります。
2016年12月16日現在の主流の返済方法は、残高スライドリボルビング方式!!残高スライドリボルビング方式ってなに?!
2016年12月16日現在、多くの銀行や貸金業者が採用している返済方法は、残高スライドリボルビング方式です。
この文字面からはまったくイメージができないですよね。
まずは、リボルビングについてご紹介させていただきます。
クレジットカードの支払いで「リボ払い」という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、まさにそのことです。
これは借り入れ限度額内であれば何度借り入れを行ったとしても、返済額を一定にすることができるといものです。
例えば、借り入れ限度額が30万円、毎月の返済額を1万円と仮定します。
最初の借り入れが10万円の場合の返済額は1万円、その後追加で15万円借り入れたとしても返済額は1万円というものです。
つまり10万円借りていても1万円の返済、25万円借りていても1万円の返済でよいということです。
このリボルビング方式という方法は、雪だるま式に借金が増えるといわれています。
なぜなら、借り入れ金額が限度額以内であるならば、返済金額は毎月一定額で、少ない返済額でも良いことから、元金部分に対する返済よりも利息部分に対する返済が大部分を占めてしまうためです。
元金が減ることがなければいつまで経っても、返済は終わることがないということはおわかりいただけているかと思います。
次に残高スライドについてご紹介します。
2016年12月16日現在、主流となっている返済方法は、残高スライドリボルビング方式ですが、正確には残高スライド元利定額リボルビング方式が一般的な返済方法として採用されています。
これは毎月の指定日における残高に応じて返済金額が決まるというものです。
以下は住信SBIネット銀行カードローンの返済方法をお示ししております。
前月末時点の貸越残高
返済額
2,000円以下の場合
前月末時点の貸越残高
2,000円超10万円以下
2,000円
10万円超20万円以下
4,000円
20万円超40万円以下
6,000円
40万円超60万円以下
8,000円
60万円超80万円以下
11,000円
80万円超100万円以下
15,000円
100万円超150万円以下
20,000円
150万円超300万円以下
25,000円
300万円超400万円以下
30,000円
400万円超500万円以下
40,000円
500万円超600万円以下
50,000円
600万円超700万円以下
60,000円
700万円超800万円以下
70,000円
800万円超900万円以下
75,000円
900万円超
80,000円
例えば借入額が900万円を超えている場合の毎月の返済額は8万円で良いというわけです。
同様に見ていきますと借入額が700万円であれば6万円、300万円であれば2万5000円、10万円であれば2000円の返済で良いとされています。
返済が進めば進むほど、毎月の返済額が少なくなるという特徴があります。
カードローン利用者にとって、毎月の返済額が少なくなるのは、非常に大きなメリットだと思います。
しかし、メリットの裏には必ずデメリットがあります。
それは返済期間が長くなるということです。
つまり、返済期間が長くなる=支払う利息総額が増えるということです。
月々の支払額が少ないから安心していると、最後に計算してみると実は相当な額の利息を支払っていたということに気がつくことがあり、失敗したと感じることも少なくないようです。
毎月の返済額を大きくするとどうなるの?!毎月の返済額を少なくするとどうなるの?!
2016年12月16日現在、カードローンの返済方法で主流なのは、残高スライド元利定額リボルビング方式とご説明しました。
この方式では、月々の返済金額を自分自身で決めることはできませんが、カードローンの中には返済金額を利用者自身で決めることができるものもあります。
もちろん、最低返済金額(約定返済金額)以上の支払いになるように設定する必要があります。
では、毎月の返済金額を多くするとどんなことが起こり得るのか考えてみましょう。
毎月の返済金額を多くするためには、生活費を返済金額に充てる必要があり、日々の生活費が少なくなるということは、精神的な負担が大きくなるといえるのではないでしょうか。
また、このケースの多くは、貯蓄はせず、そのお金も返済に充てることが考えることになるかと思います。
この場合、冠婚葬祭などの急な出費があった場合、対応することができないというデメリットがあります。
しかし、返済期間を短くすることができるため、支払うべき利息を低く抑えることができるというメリットがあります。
つぎに、毎月の返済金額を少なくするとどんなことが起こり得るのか考えてみましょう。
この場合は、月々の返済金額が大きくした場合の正反対となり、精神的な余裕ができたり、急な出費にも対応することができるというメリットがありますが、支払うべき利息が多くなるというデメリットがあります。
カードローンの賢い返済方法はこれ!!繰上げ返済をしましょう!!
2016年12月16日現在、カードローンの返済方法の主流は、残高スライド元利定額リボルビング方式であるため、この返済方法下でどのように返済するのが、賢い方法なのかを考えてみましょう。
この返済方式の場合は、すでに月々の返済金額が低く抑えられていますので、返済金額を考える必要はありません。
したがって、余剰となるお金が生まれるはずです。
そのお金を使わずに、貯金しておいてください。
その目的は繰り上げ返済を行うためです。
繰り上げ返済のメリットについて、ご紹介させていただきますので、ぜひ覚えてください。
例えば毎月10万円返済している、年間120万円返済していることを仮定してみます。
この10万円という金額の中には、元金返済部分と利息返済部分が含まれています。
例えば元金返済部分が6万円だったとすると、年間の元金返済は6万円×12ヶ月=72万円です。
一方、120万円を繰り上げ返済した場合を考えてみましょう。
繰り上げ返済は利息部分に対する返済は一切なく、すべて元金返済に充てられます。
したがって、同じ120万円という返済金額ですが、元金に対するものなのか、利息に対するものなのかという違いがあります。
カードローンを少しでも早く返済する方法は、元金部分をどのようにして早く減らすかが大きなポイントになります。
ここまでで結論付けますと、月々の返済金額を低く抑える、繰り上げ返済を見越した貯蓄を行い、定期的なタイミングで返済を行うことが良いのではないでしょうか。
この方法を行うことである程度の貯金ができるため、日々の生活における精神的な負担を取り除くことができますし、急な出費に対応することも可能です。
何より繰り上げ返済を行うと、元金が大きく減少しますので、返済したという大きな実感を味わうことができ、その実感が次回の繰り上げ返済への活力とすることができると考えています。
なお、繰り上げ返済の目安は基本的に1年に1回で考えていただき、臨時ボーナスが入った場合はその時点で繰り上げ返済しても良いですし、1年に1回のタイミングにまとめてみても良いかと思います。