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おまとめローンに借り換えをすると、損をするためオススメしないと聞こえてきます。
果たして本当のことでしょうか。
そもそもおまとめローンは、損得を考えるものではありません。
しかし、そのようなことをいっても少しでも損をしたくはないですよね。
そこで、おまとめローンをお得に利用する方法を整理しました。
おまとめローンはなぜ損をする?
おまとめローンに借り換えをすると、利息が損をするため借り換えない方がいいという人がいます。
その理由は、借り換えをすることにより返済期間が延びて、借金の返済に時間がかかるためといわれています。
そして、そのことにより返済利息が増えるため、借り換えをせずに返済をした方がお得だということです。
では、どの程度が総返済額で異なるのか見ていきましょう。
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借り換え前 | 借り換え後 | ||||||||
金利 | 借入額 | 借入期間 | 返済額 | 総返済額 | 金利 | 借入額 | 借入期間 | 返済額 | 総返済額 | |
キャッシングA社 | 18.00% | 50万円 | 5年 | 15,000円 | 750,686円 |
14.50%
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190万円
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10年
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30,072円
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3,608,734円
|
キャッシングB社 | 17.80% | 40万円 | 3年 | 17,000円 | 555,875円 | |||||
キャッシングC社 | 18.00% | 100万円 | 4.5年 | 26,000円 | 1,371,065円 | |||||
キャッシング合計残高 | 190万円 | 58,000円 | 2,677,626円 |
(参考:三井住友銀行 http://www.smbc.co.jp/kojin/jutaku_loan/ganri_sim.html)
3社の消費者金融から190万円を借金していたときに、14.5%で1社のおまとめローンに借り換えるたものが上の表です。
10年返済にした場合で計算をしていますが、総支払額の差額は約93万円になります。
あと7万円で100万円の差額になってしまいますので、確かに大きな損になります。
安い軽自動車が購入できてしまいます。
幾ら、損得を考えずにおまとめローンを利用するといっても、この差は少し考えたいところです。
おまとめローンは借入期間が延びるため、当然ながら長期間の支払利息が発生します。
そのため、返済額が多くなってしまうのです。
上の表では金利が低くなっていますので、まだこの差になっていますが、金利が変わらないともっと大きな差になるでしょう。
損をする理由は、単純に返済する期間が延びるためです。
200万円の借金に対して、毎月9万円程度支払っているのであれば確実に元金も減っています。
金利を18%と仮定して、毎月9万円支払い続ければ、28か月後には全額支払い終わりますよ。
おまとめローンにした場合は、例えば金利10%、毎月9万円支払いで、25か月後に全額支払い終わります。
金利を下げられるのであれば、おまとめローンのメリットはあります。
金利があまり変わらないのであれば、おまとめローンにするメリットはそう多くはありません。1社にまとめられるので手間は確実に減りますが。
このような金額の話を彼女さんにしてあげてください。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10167252190
返済期間が延びるとなぜ支払利息が増える?
返済期間が延びると、なぜ支払利息が増えるのでしょうか。
それは、月々の返済額が少なくなるため、元金がなかなか減らず利息を取られてしまうからです。
では、実際に例を見てみましょう。
【例】
金利:18.00% | 金利:18.00% | ||||||||||
年月 | 残高 | 返済額 | 元金 | 残高 | 年月 | 残高 | 返済額 | 元金 | 残高 | ||
H28.4 | 100,000 | 0 | 0 | 100,000 | H28.4 | 100,000 | 0 | 0 | 100,000 | ||
H28.5 | 100,000 | 10,000 | 9,163 | 90,837 | H28.5 | 100,000 | 5,000 | 4,163 | 95,837 | ||
H28.6 | 90,837 | 10,000 | 8,613 | 82,224 | H28.6 | 95,837 | 5,000 | 3,536 | 92,301 | ||
H28.7 | 82,224 | 10,000 | 8,784 | 73,440 | H28.7 | 92,301 | 5,000 | 3,635 | 88,666 | ||
H28.8 | 73,440 | 10,000 | 8,878 | 64,562 | H28.8 | 88,666 | 5,000 | 3,645 | 85,021 | ||
H28.9 | 64,562 | 10,000 | 9,014 | 55,548 | H28.9 | 85,021 | 5,000 | 3,701 | 81,320 | ||
H28.10 | 55,548 | 10,000 | 9,179 | 46,369 | H28.10 | 81,320 | 5,000 | 3,798 | 77,522 | ||
H28.11 | 46,369 | 10,000 | 9,292 | 37,077 | H28.11 | 77,522 | 5,000 | 3,816 | 73,706 | ||
H28.12 | 37,077 | 10,000 | 9,453 | 27,624 | H28.12 | 73,706 | 5,000 | 3,910 | 69,796 | ||
H29.1 | 27,624 | 10,000 | 9,579 | 18,045 | H29.1 | 69,796 | 5,000 | 3,934 | 65,862 | ||
H29.2 | 18,045 | 10,000 | 9,725 | 8,320 | H29.2 | 65,862 | 5,000 | 3,995 | 61,867 | ||
H29.3 | 8,320 | 8,434 | 8,320 | 0 | H29.3 | 61,867 | 5,000 | 4,146 | 57,721 | ||
総支払利息 | 8,434 | H29.4 | 57,721 | 5,000 | 4,119 | 53,602 | |||||
H29.5 | 53,602 | 5,000 | 4,261 | 49,341 | |||||||
H29.6 | 49,341 | 5,000 | 4,247 | 45,094 | |||||||
H29.7 | 45,094 | 5,000 | 4,334 | 40,760 | |||||||
H29.8 | 40,760 | 5,000 | 4,378 | 36,382 | |||||||
H29.9 | 36,382 | 5,000 | 4,445 | 31,937 | |||||||
H29.10 | 31,937 | 5,000 | 4,529 | 27,408 | |||||||
H29.11 | 27,408 | 5,000 | 4,582 | 22,826 | |||||||
H29.12 | 22,826 | 5,000 | 4,663 | 18,163 | |||||||
H30.1 | 18,163 | 5,000 | 4,724 | 13,439 | |||||||
H30.2 | 13,439 | 5,000 | 4,796 | 8,643 | |||||||
H30.3 | 8,643 | 5,000 | 4,881 | 3,762 | |||||||
H30.4 | 3,762 | 3,819 | 3,762 | 0 | |||||||
総支払利息 | 18,819 |
上の表は10万円を18.0%で借りたときの返済表を見比べたものです。
返済期間を倍にすると、利息が倍以上になっているのがわかりますね。
返済される元金を見比べてみると、1年返済のものは元金に約9,000円ずつ返済されるのに対して、2年返済のものは4,000円も元金に返済されません。
10,000円を返済するに、約1回と3回では利息を計算される期間が長くなってしまうので、総返済額が多くなってしまいます。
元金の返済額は変わりがないわけですから、増えた分は利息の分が多くなっているわけです。
おまとめローンに借り換えない方がいいの?
190万円の例を見ると総額で約93万円の支払いが多くなることを考えると、やはりおまとめローンにしない方がいいのでしょうか。
しかし、ここで注目をしてほしいのが、月々28,000円の返済額が減ることです。
そもそも、おまとめローンを借りる人は、月々の生活が苦しいから借り換えたいのではないでしょうか。
もし、生活額になっていないのであれば、おまとめローンを考えることはやめましょう。
しかし、おまとめローンを考える人の多くは、月々の生活が苦しいためであり、最終的な損得を考える余裕はないはずです。
したがって、まずは目先の支払いが幾ら減るのかが大事になります。
損をするからといって、借り換えずに延滞をしていては本末転倒です。
また、延滞をするだけならまだしも、支払いができずに債務整理をしてしまうようなことになっては元も子もありません。
まずは、月々の生活を立て直すことだけを考えましょう。
おまとめローンは借り換えて終わりではない!
おまとめローンは、借り換えて終わりではないのです。
実は借り換えることから始まると考えてください。
借り換えることによって、月々の返済額が28,000円も少なくなります。
この少なくなった返済額を、すべて生活費に回すようなことにしないでください。
すべてを生活費に回さないと、生活が大変だという人もいるかもしれません。
しかし、そもそもカードローンを、借りすぎてしまった原因の可能性はありませんか。
その理由のほとんどは、収入に見合った支出になっていない家計が原因ではないでしょうか。
その場合は、まずは無駄な支出がないのかしっかりと確認をすることが大事です。
そこで、無駄を省き節約するところがないかチェックをしてください。
そして、生活費で節約することができれば、そこで手元にお金が少しは残るのではないでしょうか。
そこまで考えて、28,000円のうち家計に幾らを回すといいのか判断をしてください。
幾らあると生活できるか把握をして、少しでも多く貯蓄をするようすることが重要になります。
おまとめローンは借り換えて終わりではなく、最終的に生活費を見直して貯蓄額を決めることまですることが大事です。
貯蓄をするとおまとめローンは特になる
おまとめローンの借り換えをしないと、貯蓄のことは考えられなかったでしょう。
しかし、返済額が少なくなることで、月々の貯蓄ができるようになります。
貯蓄をすると、約93万円の損はどうなるのか見てみましょう。
月々の貯蓄額 | 10年間でためることが できるお金 |
1,000円 | 120,000円 |
2,000円 | 240,000円 |
3,000円 | 360,000円 |
5,000円 | 600,000円 |
10,000円 | 1,200,000円 |
月々10,000円を貯蓄できると損を取り返して、30万円も手元に残ります。
また、半分の5,000円を貯蓄すると損をする金額が33万円にとどめることができます。
このことを考えると、少なくても10,000円は貯蓄をしたいところですね。
しかし、1,000円でも貯蓄ができれば10年間で12万円をためることができます。
ちょっとした旅行もできるようになりますので、少ない貯金も意外とバカにはならないのです。
まずは、生活を改善して貯蓄を少しずつ殖やしていくことが大事ではないでしょうか。
貯蓄をしたもので繰り上げ返済をしよう
年月 | 残高 | 返済額 | 元金 | 残高 |
H28.4 | 1,900,000 | 0 | 0 | 1,900,000 |
H28.5 | 1,900,000 | 30,072 | 17,242 | 1,882,758 |
H28.6 | 1,882,758 | 30,072 | 6,887 | 1,875,871 |
H28.7 | 1,875,871 | 30,072 | 7,716 | 1,868,155 |
H28.8 | 1,868,155 | 30,072 | 7,067 | 1,861,088 |
~ | ||||
H35.1 | 922,934 | 30,072 | 18,707 | 904,227 |
H35.2 | 904,227 | 30,072 | 18,938 | 885,289 |
H35.3 | 885,289 | 30,072 | 20,226 | 865,063 |
H35.4 | 865,063 | 30,072 | 19,420 | 845,643 |
H35.5 | 845,643 | 30,072 | 19,995 | 825,648 |
H35.6 | 825,648 | 835,814 | 825,648 | 0 |
総支払利息 | 1,491,934 |
10,000円の貯蓄ができれば、7年2か月で86万円ためることができますので繰り上げ返済ができます。
そして、総返済額は「1,900,000+1,491,934」で3,391,934円になります。
借り換える前に比べると、約28万円の損になりますが、繰り上げ返済をしない場合と比べると約21万円の得をすることになります。
更に繰り上げ返済をすることで、月々の返済額である約30,000円のうち10,000円を貯蓄に回すと、月々20,000の貯蓄ができます。
3年後には72万円貯蓄ができますので。
10年間で考えると、生活を改善さえすればトータルで得をすることになるでしょう。
計算上は損をしますが、計画的に貯蓄と返済をすることで、得をすることになります。
貯蓄ができるようになったのであれば、おまとめローンを途中で繰り上げ返済をして、更にお得になるようにすることをオススメします。
銀行系のカードローンをおまとめローンとして利用しよう
おまとめローンを利用するときには、借り換え後に貯蓄をすることがとても重要になります。
そして、総支払額が多くなるのがわかっているのであれば、少しでも金利が低いところで借り換えるようにするといいでしょう。
そこで、オススメなのが銀行系のカードローンになります。
銀行カードローンは総量規制の対象外になります。なお、総量規制とは次の引用のとおりでしょう。
(1) 総量規制とは
Q2-1. 総量規制とは何ですか?
A2-1. 借り過ぎ・貸し過ぎを防ぐために設けられた新しい規制です。具体的には、貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合は、新たな借入れはできなくなる、という内容です。
例えば、年収300万円の方は、貸金業者から100万円までしか借りることができないということになります。
総量規制は金融庁のホームページのとおり、年収の3分の1まで銀行系以外のカードローンが利用できる法律です。
3分の1以上は利用できませんので、消費者金融のカードローンは、いずれ申し込みができなくなります。
そこで、総量規制の関係がない銀行系のカードローンを利用すると、収入の3分の1という制限がなく申し込みが可能です。
既に、年収の3分の1近くになっている人でも、銀行系のカードローンであれば借り換えをする金額を申し込みできます。
また、消費者金融のカードローンよりも、銀行系のカードローンは金利が低いです。
消費者金融のおまとめローンは、18%になっていることが多いので、銀行系カードローンの方がお得でしょう。
お得で手軽に借りることができる、銀行系のカードローンは審査に通過ができれば、おまとめローンとして利用することをオススメします。
ただし、カードローンの場合は反復利用ができます。その点は注意をしなければいけません。
返済の途中で借りてしまうと、借金が減らなくなってしまいます。
したがって、生活に支障が出ない、無理のない返済計画を立てることが重要になります。
まとめ
おまとめローンは借金を一本化して、返済を長期化することで、月々の返済額を少なくします。
したがって、そのまま返済をしていくと、大きく損をしてしまいます。
しかし、おまとめローンを利用する人は、損得よりもまずは現在の生活を立て直すことが大事になります。
そして、貯蓄ができるようにしてください。
貯蓄ができるようになると、おまとめローンを繰り上げ返済することが可能になります。
繰り上げ返済をするとおまとめローンはお得になりますので、1日も早く借金がなくなるように頑張ってください!