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失業給付金という言葉は聞いたことがあっても、これまで転職をされたことがない方や、
次の仕事が決まってから辞めた方は、どんなものかよく分からない部分が多いですよね?
今回は知っておくべき失業給付金の仕組み、その受け取り方法について詳しく解説します!
失業給付金って何?
受け取り方法は「失業の仕方」で大きく変わる!
失業給付金とは、ざっくりと説明すると失業者の転職活動を支援してくれるお金のことです。
会社を退職後に必要な物を持ってハローワークへ行き、
審査をしてもらい、受給資格があると認められると受け取ることができます。
認められるために絶対外せない条件は、
①次の仕事が決まっていない状態
②就職しようとする意思とそれが実現できる能力があること
③過去2年間に雇用保険に加入していた月が合計12ヶ月以上(会社都合退職の場合は6ヶ月以上)あること
の3点全てを満たしていることです。
例えば、
病気やケガでの休養
スクールへ通う
事業を起こす準備をしている場合
などは、失業状態とみなされないため、受け取ることができません。
自分に受給資格があるかどうか判断が難しい方は、
ハローワークに行って自分の状況を全て話し、
職員に判定してもらうと良いでしょう。
支給については一括ではなく、分割されて月1回ずつ支給されることになります。
1回でもらえる金額はその人が過去6ヶ月前にもらっていた給料の金額をベースに、
年齢、勤続年数も加味されて決定されるので幅がありますが、おおよそ前職の給料の50~80%になります。
これだけ聞くと給料の半分以上はもらえ、とても良い制度に思えますが、一つ厳しい現実が待ち受けています。
自分の意思で辞めた、つまり自己都合で退職した場合、
手続きしてから最初のお金が振り込まれるまでに約4ヶ月かかってしまうのです。
これが大きなネックで、急いで次の仕事を探さないと貯金がどんどん減っていくという点では、
失業給付金がもらえない方と差がありません。
一方でリストラなど、会社都合で退職した場合は、手続きしてから約1ヶ月後には振り込まれ、
最長受給期間も自己都合退職の場合の2倍以上です。
退職理由が違うだけで雲泥の差ですね。
失業給付金の手続きに必要なもの
・本人確認証明書
・マイナンバー確認証明書
・印鑑
・写真
・本人名義の普通預金通帳
・雇用保険被保険者離職票(1)
・雇用保険被保険者離職票(2)
・雇用保険被保険者証(不要な場合もあり)
・求職申込書(ハローワークで入手。就職する意思を証明するための書類)
※平成29年3月11日時点
自己都合と会社都合の違い(健常者の場合)
1回につきの金額 | 受給開始日 | 受給期間 | |
自己都合 | 前職給料の約50~80% | 手続きしてから 約4ヵ月後 |
90~150日 |
会社都合 | 前職給料の約50~80% | 手続きしてから 約1ヵ月後 |
90~330日 |
※平成29年3月11日時点
自己都合退職だと受給開始が遅くて損?
救いの手「再就職手当」とは?
自己都合退職の方は受給開始日が遅いので、
手続きしてから2、3ヵ月後など中途半端なタイミングで次の仕事が見つかる方も多いでしょう。
受給開始日前、受給期間中に関わらず、就職が決まるとその時点で失業給付金はストップされてしまうので、
正直、就職できる能力が高い方にとっては、この失業給付金自体があまり意味がないように思えます。
そんな方たちの救済措置となる制度、「再就職手当」というものが存在します。
その名の通り、就職が決まるともらえる手当てのことで、
就職が決まるのが早ければ早いほど高い金額を受け取ることができるのです。
では失業給付金をもらう前に就職できた場合、具体的にいくらもらえるのでしょうか?
仮に「60歳未満で失業給付金の受給期間が90日と認定された人の場合」では、
5805円(基本手当て日額)×70%×90日(失業給付金の残日数)=36万5715円になります。
基本手当て日額は毎年変動しますが、だいだい30万円ぐらいは受け取れると考えていいでしょう。
これは金額としてかなり大きいので、自己都合退職の人も諦めずに早期再就職を目指し頑張りたいところですね。
それって本当に自己都合?退職届を書くその前に…!
イレギュラーとして、自己都合で退職となっても、
ハローワークの判断で会社都合にしてもらえるケースもあります。
辞める3ヶ月前の月残業時間が45時間以上であった
会社のパワハラがひどすぎて辞めた
無理やり退職届けを書かされた
などの場合です。
納得できないと思ったら、会社の体制に問題があったことを証明できるような証拠をできるだけ集めましょう。
また、契約書類はいったんサインをしてしまうと自分で納得して了承したとみなされてしまい、
取り返しがつかなくなる可能性が高いです。
証拠集めも大事ですが、
退職時にはサインをする・退職届を提出する前に、労働基準監督署に相談してみましょう。
アルバイト禁止?受給申請時から受給期間中の過ごし方
受給資格さえ満たしていれば後は何をやっても良いわけではなく、
ハローワークが定めたルールを守ることが必須となります。
その一つがアルバイトの禁止および制限です。
まず失業給付金の申し込みをした日から7日間はアルバイトは絶対に禁止です。
これを破ると失業給付金そのものがもらえなくなります。
7日間が経過した後は、申告すればアルバイト可能となりますが、
労働時間に制限が付きますので、週5日フルタイムで働くことはできません。
ちなみにどれくらい制限が付くかは各ハローワークによって違いがあります。
また、申告せずにアルバイトをしたことが発覚した場合、
受け取った金額の約3倍を支払うペナルティが発生するので絶対に止めましょう。
最後になりますが、失業給付金・再就職手当をもらうには、
ハローワークにしばらく通い続け、職員の指示をしっかりと守ることが必須になります。
これを怠ると、
制度が変わったことに気付かなかったり、受給資格から外れる行動をしてしまうなど、
不利なことが起こる可能性が非常に高くなります。
ハローワークは失業した方の心強い味方です。
「報・連・相」の姿勢が、給付金・手当受け取りの基本であることをお忘れなく!