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「妻が借金をしていた!」
「しかも複数の会社から借り入れがあるが、おまとめローンの審査には通らなかった!」
こんなとき、妻の借り入れの名義を夫の名義に変えて、夫がおまとめローンを申し込むことはできるのでしょうか?
また、他にはどんな手段があるのでしょうか?
今回はこのようなケースに対して取るべき対処を解説していきます!
名義を夫に変えておまとめローンを組みたい!
できる?できない?
結論から言うと変更できません。
おまとめローンは原則として本人名義でないといけないので、
夫が妻の複数の借り入れを全て引き受けて、別会社でおまとめローンを申し込む。
いわば肩代わり行為はできないのです。
しかし別の形であればほとんど似たようなことができます。
それは夫の名義で別会社にローンを申し込むことです。
(このとき、夫には複数の借り入れがないとすると、
おまとめローンではなく、普通のカードローンなどに申し込むことになります。)
借りたお金が使途自由のローンであれば、何に使おうがかまわないため、
妻の借金返済に充てることができます。
まとめると下表のようになります。
妻の借り入れ名義を夫に変更して、別の金融機関に おまとめローンを申し込む。 |
できない。おまとめローンは借りた本人しか申し込めない。 |
夫の名義で別の金融機関におまとめではないローンを申し込み、そこで借りたお金を妻の借金返済に充てる。 | できる。しかし金融機関によっては借り入れの使途が自由ではない場合、妻の借金返済に充てることができない可能性がある。 |
夫が直接、妻に現金を手渡しするのはダメ?最大50%の贈与税は注意すべき落とし穴!
先ほど金利を削減する目的で夫がローンを組む話はしましたが、ここでひとつの疑問が浮かぶ方もいるでしょう。
妻の借金を全額返済できるほどの財産を夫が持っていた場合、
わざわざ新たにローンを組まないで妻に直接現金を渡して、そのお金を返済に充てれば良いのでは?と。
たしかにローンを組めば多少なりとも金利が発生してしまうので、
直接肩代わりして支払ってしまえば一気に片付くように思えます。
しかしここには大きな落とし穴があるのです。
夫婦間で、生活に必要な現金の受け渡しは非課税の贈与とみなされますが、
その範疇を超えた場合、例えば高価な車を買ってあげたり、借金の肩代わりのために大金を渡した場合、
(どちらの場合でも年間110万円以上ならば)
課税対象の「贈与」に当たると判断されることになります。
贈与税は税金の中でもかなり高い部類(最大50%)になりますので、
妻を助けるためとはいえ、安易に現金をそのまま渡すのは得策ではないのです。
贈与税の対象にならないようにするには、額を年間に110万円未満にしなければならず、
例えばこの額よりはるかに大きな返済をしなければならない場合には、
数年を要することになるので、お勧めできません。
夫が組むローンは何がおすすめ?
フリーローンとカードローンの違い
夫は妻の代わりにおまとめローンを組むことができないため、それ以外のローンを組むことになるのですが、
どんなローンがおすすめなのかを解説していきます。
ローンには住宅ローン、マイカーローン、フリーローン、カードローンなど色々な種類がありますが、
妻の借金返済に充てる目的の借り入れの場合、
住宅ローンやマイカーローンなどの目的限定の借り入れでは意味がありません。
おのずと使い道が自由であるフリーローン・カードローンという選択に限られます。
「フリーローン」
事業を始める、投資をする目的以外であれば使途自由なのが一般的です。
カードローンよりも低金利ですが、通常は一度借り入れると完済するまで追加で借り入れることができません。
また、フリーローンのほうが審査が厳しく、融資までに時間がかかり、
繰り上げ返済する場合、手数料が発生することもあります。
「カードローン」
同じく事業、投資目的以外なら使途自由なものが一般的です。
フリーローンより金利が高めですが、完済できていなくても限度額まで何度でも追加で借り入れることができます。
審査もフリーローンよりは緩く、融資までの時間も短いプランが多くあります。
まとめると、フリーローンとカードローンの大きな違いは「金利」と「借り入れ回数」になります。
審査期間については、1ヶ月も差はありません。
①この審査期間に耐えられる状況であれば、金利が低いフリーローンを選択するのがお勧めです。
②一方、追加融資が必要になったり、繰上げ返済のタイミングで損してしまうかもといった不安が残る方には、
カードローンをお勧めします。
①ローン申し込みのポイントは?
②最もお勧めな「合わせ技」を伝授!
今回のケースでは、何かを購入するのではなく、妻の借金の負担を減らすことが借り入れの目的なので、
妻が借りている金利より低いところに申し込むのポイントになります。
しかし、「金利が低い=審査が厳しい」という傾向にあるため、
夫が「正職員で長く勤めていている」「年収が高い」「持ち家がある」
といった属性の高さや、過去のローン利用履歴(信用情報)に問題がないことが必須になるでしょう。
また上記をクリアしていても、新規の借り入れでは「◯◯%~△△%」といった金利幅の中で、
最高金利に近い金利が適用されるのが一般的であることを視野に入れておきましょう。
これらの条件をクリアでき、返済の見通しが立つ場合にのみ、
妻の借り入れ⇒夫の借り入れ、と名義変更の役割を果たすことができますが、
全額の名義変更は現実にはなかなか難しいかもしれません。
そこで先ほどの「110万円未満の贈与」×「夫のローン」という合わせ技が最も有効です。
つまり
「妻のローンより金利が低く借りられた分だけを夫のローンにしてしまい⇒残りを毎年110万円未満まで贈与する」
という手段です。
これが最も返済額を少なくする現実的な方法になるでしょう。
今回の記事が、みなさんの返済計画の一助となれば幸いです!