あなたがもし多数の金融機関からの借入を行っていて返済が辛くなってきてしまった場合、
取るべき手段にはどのようなものがあるでしょうか?
恐らくは「おまとめローン」の利用か「任意整理」の利用になります。
どちらの方法にもメリット・デメリットはありますが、
総合的に見れば、どちらを利用したほうが良いのでしょうか?
今回はこの点にスポットを当てて、
おまとめローン・任意整理についての有効な利用法を考えてみましょう!
おまとめローンのメリット・デメリットを分かりやすく整理!
<メリット>
・借入先の1本化により返済の管理が楽になる
もし多数の金融機関からの借入を行っていた場合、返済期日や返済額もバラバラなため管理が大変です。
そこでおまとめローンにより返済期日と返済額が1つに定まることにより、返済管理をしやすくなります。
・借り入れる金利次第では総返済額の減少が望める!
おまとめローンの利用前の複数の金融機関の金利と、おまとめローンの金利の関係次第で、総返済額の減少が望めます。
例えば、
A社から30万円を金利15%で、
B社から40万円を金利14%で、
C社から50万円を金利13%で借りて、二年間で返済する計画を立てた場合、
総返済額は1,380,480円となります。
この借りた120万円を仮に金利6%で借り換え、4年間で返済する場合、
総返済額は1、352,736円となり総返済額を3万円ほど減らすことができます。
<デメリット>
・逆に総返済額は多くなってしまうこともある
おまとめローンで借り換えをした場合、たいてい月々の返済額は減るため返済が楽になります。
ただ月々の返済額が減るということは総返済期間が延長するということなので、
その分利息が増えることになります。
そのためおまとめローンの金利・返済期間しだいでは、
「利用前よりも総返済額が増えてしまった」
ということもあり得るのです。
例えば先ほどのおまとめローンの例で仮に金利9%の金融機関に借り換えした場合は、
月々の返済額は少なくなりますが、総返済額は1,433,376円と5万円ほど返済額は増えてしまいます。
他にもおまとめローンのデメリットとしてはそもそも「審査に通りづらい」こともあげられます。
やはりおまとめローンに申し込むということは、
申込した時に多数の金融機関から借入を行っており、
返済能力に関して疑問を持たれるからだと考えられます。
任意整理のメリット・デメリットを分かりやすく整理!
<メリット>
・借金の額を大幅に減らせる!
任意整理では債務整理の中でよく利用される手段です。
司法書士や弁護士と債権者が交渉をして、
現在よりも低い金額での月ごとの返済や将来の利息カットについて話し合います。
またいわゆるグレーゾーン金利と呼ばれる、
「利息制限法と出資法の間に設定された金利」で返済を行っていた場合、
払いすぎていた利息を元金の返済に充てることで借金を減らすことを目指します。
例を考えます。金利が高く設定されているA社、B社からそれぞれ70万円、90万円借りていて、
金利が低いC社から30万円借りていたとします。
任意整理を行うことでA社、B社からの借金はそれぞれ40万円、50万円に減額して、
もともと金利の低かったC社は変わらず30万円に借金となり、これらの借金の利息をカットできます。
よって返済総額は任意整理前は190万円+利息だったのが、任意整理後には120万円となりました。
<デメリット>
・ブラックリストに載ってしまう
任意整理を行うと「債務整理」をしたという情報が信用情報機関に記録されてしまうため、
任意整理後にカードローンを利用したり、クレジットカードを作成したりするというのが、
非常に難しくなってしまいます。
この記録は任意整理後から5年間記録されるので、
どうしてもお金を借りたい場合は5年間待ってからということになり、
その間は、借り入れなしで家計を乗り切らなければなりません。
結局どちらの手段を利用するべき??
ブラックリスト入り容受が分岐点!
基本に立ち返ると、
おまとめローン=「金利だけが下がる」
任意整理=「借り入れの元金自体が減る」
というのが大きな違いです。
任意整理では借金の元金を減らすことが可能で、なおかつ任意整理後の利息もカットできます。
「借金を減らす」ことを第一に考えるのならば、
「利息のみを減らす」おまとめローンより良い選択であると言えます。
つまり金銭的な正解は任意整理なので、
「ブラックリスト入りを受け入れられるかどうか」に判断が委ねられます。
さらにおまとめローンを利用する理由の1つとして、
「多数の金融機関からの借り入れにより返済が苦しくなった、借り換えて月々の返済額を減らしたい」
と考えることもあげられると思います。
これに関しても先に述べた通りで、
「月々の返済額は減る」けれど「借金自体が減る」わけではありません。
本当に返済が苦しい場合は、
ブラックリスト入りを受け入れて、「借金自体を減らす」ことが可能な任意整理を選択するしかないと言えます。