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外貨MMF(がいかえむえむえふ)とは、Maney Market Fundの略で、外貨で運用する投資信託で、外貨建てMMFとも呼ばれています。
米ドルMMFやユーロMMFなどの通貨別に設定されています。
外貨MMFの投資対象は、国債や優良企業の社債などで、投資元本を維持して投資の継続を目標にしています。
投資信託なので、元本保証はありませんが、今まで外貨ベースで元割れをしたことがない為、元本の安全性は高いと評価されています。
(外貨建てでは元本割れしていない場合でも、為替変動によって円換算では元本割れしてしまうこともありますので注意が必要です。)
外貨MMFは短期で儲けたい方の商品ではなく、長期で資産を築いていきたい方にお勧めの商品です。
投資信託におけるリターン・リスク
投資信託には様々なファンドが存在していますので、当然ファンドによってリスクは度合いが異なります。
リスクが比較的少ないMMFや公社債投信など株式を中心としないものはリスクが少ない分リターンもあまり高くはないと言ったような感じです。
逆に株式を中心としている国内株式型投信や海外株式型投信などはリターンの高さが期待できる商品ですが、やはりその分リスクも大きいと言えます。
以上のように投資信託におけるリターンとリスクの関係は密接なもので、リターンが大きいとリスクも大きく、リターンが小さいとリスクも小さいのです。
ですから購入する際にはリターンばかりではなくリスクの面においてもきちんと了承した上で購入する必要があります。
ちょっとここでは投資信託におけるリスクとリターンについての説明をしてみたいと思います。
投資信託におけるリターンについてですが、「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」という二つがあり前者は分配金という形で、ある一定期間毎に配当され、後者は購入価格を売却価格、または償還価格から引いた金額を配当金として還元されるといったリターンになります。
次に投資信託におけるリスクについてですが、価格が上下に異動することにより変動してしまうために起こりうるリスクがあります。
その変動が上に行けばリターンが増えるのでリスクは小さくなりますが、変動が下にいけばいくほどリスクが大きくなっていってしまいます。
以上のような事が投資信託における基本的な、リターンとリスクではないかと思います。
外貨MMFとFXを比較
現在外貨金融商品の中で最も人気のあるFXち比べてみましょう。
FXとは外国為替証拠金取引のことで主に短期間の為替差益をねらった金融商品です。
レバレッジの利用や取扱通貨数・取扱業者数がたくさんあるといった特徴があります。
まずは手数料を比較するとFXは取引手数料はほとんどのところが無料で、実際業者の利益となっているスプレッドも0銭~5銭程度と外貨MMFの25銭に比べれば圧倒的にFXの方が安くなっています。
ただしFXは何度も取引を重ねることが多いので、実際にはFXの方が手数料が多くかかっている場合が多いです。
MMFは投資信託ですので現物取引ということになり所有の金額以上の取引は出来ませんが、FXは証拠金取引なのでレバレッジを効かせて預託金以上の金額で取引ができます。
FXはリスクとリターンのバランスを自分で決めることが出来ますが、MMFには選択肢はありません。
ですがFXには資金がゼロになるどころかマイナスになる危険性があるのに対しMMFには元本割れする危険すらほとんど無いのが特徴です。
税金に関してはFXにも利子に相当するスワップ金利というのがあり、利息分は為替差益と同じく総合所得として計算されて最大50%の税率で計算されます。
MMFの場合利息は一律20%の分離課税となっており、為替差益に関しては非課税となっています。
投資しておく期間が長いとMMFのほうがリスクも低く税率でも優遇されています。
外貨MMFと外貨預金を比較
外貨MMFがどれぐらいの金融商品なのか外貨預金と比較してみましょう。
外貨預金とは現在所持している円を外国の通貨(米ドルなど)にして預金することです。
日本円だと預金していても低金利の為利息がほとんど付かないのが現状です。
ほとんどの外貨が日本円よりも金利が高く利回り良いのが人気になりました。
98年の法改正により個人投資家にも参加が可能となりました。
外貨預金は手持ちの円をいったん外貨に交換してから預金となります。
また解約時にも外貨から円に交換する必要があります。
このときに為替手数料というのが発生します(この点は外貨MMFも同じ)が、この手数料が大きく違います。
外貨預金だと米ドルだと片道1円/1米ドルぐらいですが外貨MMFだと25銭くらいです。
外貨MMFは投資信託ですので外貨預金よりは利回りもよくリターンは期待できます。
増えた外貨を最終的に解約して円にするわけですが(外貨MMFは円でしか受け取れないので)このとき為替が変動していて利益が発生しても外貨MMFは非課税の扱いになっています。
外貨預金の場合は総合課税の雑所得として最大50%の課税対象となります。
一方外貨預金には元本割れという危険性はほぼゼロですが、外貨MMF(投資信託)は元本割れの可能性がゼロでは無いという認識を持っておく必要があります。
外貨MMFのメリットとデメリット
外貨MMFは外貨の投資信託ということで為替差益も得られます。その差益に関しては非課税となっています。買った時よりも売るときに円が安くなっていると為替差益で儲けがでます。逆の場合は損をします。儲かった時は非課税でまるまる儲けとなりますが、損したときは他の収益とも合算出来ないと言うことになります(税金の対象とされない)ので注意しましょう。
外貨MMFのメリット
- 運用利益が見込める
- 元本割れをするリスクが小さい
- 為替差益が非課税
- 少額からはじめることができ、コツコツ投資が出来る
- 複利運用効果が期待できる
いったところがおもなメリットです。リスクが小さい(株などと比較して)金融商品ですが、短期ではリターンもそれほど期待できません。長期的に資金運用をするという方にはおすすめの商品だと思います。
外貨MMFのデメリット
- 最終的には円でないと金銭を受け取ることが出来ない為解約時期を間違えると元本割れする危険性がある
- 元本割れがほとんど無いというのはあくまでも外貨の状態での話なので解約する時に買ったときより円高になっているとマイナスが大きい場合は元本割れが発生します。解約には特に制限がないので円安になるまで解約を待つという方法もあります。
- 短期間ではリスクが少ないがリターンも少ない
- 選択肢が限られている。取扱通貨数や取扱業者がFXなどに比べかなり少なくなっています。