あまり意識をしたことがある方はいないでしょうが、実は税金の納付にも「時効」があります。
つまり、税金の払い忘れが発覚したとしても、「時効」の期限を過ぎている場合は、税務署は納税者に税金の支払いを強制することはできないということです。
今回は、時効が成立するまでにはどれくらいの期限があるのか、また時効までにどのようなことが起こるかを解説していきます。
税金の時効期限ってどれくらいあるの?場合によって異なるの?

国税(所得税・法人税など)の時効までの期間は場合により主に「3年」「5年」「7年」の3ケースに分けられます。
・時効期限 3年の場合
期限内に申告をした場合は、時効は申告期限の翌日から3年後になります。
しかし、脱税の意思が発覚した場合には時効期限は7年となります。
・時効期限 5年の場合
期限内に申告をしていない、いわゆる無申告の場合には、時効は申告期限の翌日から5年後になります。
しかし、脱税の意思が発覚した場合には時効期限は7年となります。
・時効期限 7年の場合
脱税の意思があった場合は、時効は申告期限の翌日から7年後になります。
ちなみに贈与税の場合は脱税の意思がない場合でも時効は6年と、ほかの税金よりも1年期限が長いです。
それだけ贈与税の把握をするのは税務署にとって難しいということですね。
時効の成立までにどんなことが起こる?何かペナルティは発生する?
時効期間は「申告期限の翌日」から決められた期日が過ぎるまで、と前述しましたが、それは税務署から何のアクションもない場合です。
何のアクションもない、とはつまり、税務署が税金の未納を把握できていない、ということですね。
税務署が税金の未納を把握している場合、督促状を送ったり、差し押さえを行ったりする可能性があります。
そうなると、時効期限までのカウントはいったんリセットされて、督促状の送付日から新たに時効期間のカウントがまた始まることになります。
また、税金を滞納した場合は「加算税」や「延滞税」を納める義務も発生してしまいます。
さらに、税金を滞納すると納税証明書にもそのことが記載されてしまいます。
これにより、金融機関からお金を借りる際に納税証明書の提出が必要な場合、融資を受けることがとても難しくなってしまいます。
安易な気持ちで税金の滞納は行わないように気をつけましょう。
贈与税の申告漏れはバレにくいってホント?節税のためにはどうすれば良い?

先に触れたように、贈与税が発生するかどうかを税務署が把握するのは他の税金に比べて難しいと言われています。
例えば夫の口座から妻の口座へ300万円が移されたとして、その300万円が子供の学費を払うためであれば贈与税は関与してきません。
税務署ではお金の移動の理由をすべて調べることはできないため、どのお金の移動が贈与税に関与するのかを把握することはとても難しいのです。
しかし、だからといって「贈与税を納めずに、時効が成立するまで申告せずに待とう」などと考えてはいけません。
いずれにせよ「相続」の際に見つかってしまう可能性が高いのです。
相続税の申告の際には税務調査が入る場合があり、通帳を調査されて不自然なお金の移動があれば、相続税として徴収されることが考えられます。
節税をしたいのであれば、贈与税には非課税枠が設けられていますので、その非課税枠をうまく利用してきちんとした形で前もって贈与を行うと良いでしょう。
決して時効の成立を狙おうなどと考えてはいけません。
税金の時効について、お分かりいただけたでしょうか。
税金には時効があるもの、時効を成立させることはとても難しいと言えます。
また、税金を滞納すると加算税や延滞税などの重いペナルティが発生したり、さらに金融機関からの融資を受けるのが難しくなる可能性があるなど大きなリスクがあります。
節税をしたいのであれば税金の時効を狙うというリスクが大きく精神的な負担も重い方法ではなく、きちんとした手段で計画的に節税を行うことをオススメします。