毎月の通信費に頭を悩ませている方は多いと思います。
インターネットではよく「格安SIMを利用して通信費を抑えよう!」という記事や広告を見かけますが、正直なところ大手キャリアの端末と何がどう違うのか分からない方も多いのではないでしょうか?
今回は、格安SIMにはどんなデメリットがあるのかを紹介していきます。
店頭でのサポートが受けられない、または店頭サポートの受付窓口が少ない!
格安SIMへの乗り換えを考えるときに一番気になるのは、申し込みやプランの変更などの事務手続き、端末の故障の際の対応などをどのようにサポートしてくれるのかということではないでしょうか?
格安SIMを提供しているMVNO(仮想移動体通信事業者)は店舗を構えていないことも多く、 店舗を持っているMVNOでもその数は決して多いとはいえません。
大手キャリアの端末を利用していれば、プランの変更時や端末に不具合が出た時には気軽に店舗で相談することができます。
しかしMVNOでは遠方まで足を運ばなければ店舗がなかったり、または店舗そのものがなくネットや電話での対応のみだという場合もあります。
インターネットでのやり取りや端末の操作が気にならないという人にとっては問題ないかもしれませんが、店舗に端末だけ持ち込んで後は全て担当者に任せた方が楽で確実だと感じる方には手間がかかる格安SIMはあまり向かないでしょう。
また、大手キャリアでは基本的には端末と回線がセットで販売されており、端末が故障した際は販売店に相談すれば全て対応してくれます。
MVNOでも端末と格安SIM のセット販売をしていますが、格安SIMの契約しかしていない場合は端末に不具合が出た時には修理などの対応は当然受けられず、自分で端末のメーカーに問い合わせをしたり修理依頼の手続きをしたりしなければなりません。
「端末のトラブルは手に負えない」という方は大手キャリアを利用する方がいいでしょう。
「携帯電話」なのに音声通話がオプション?意外と不便なポイント
大手キャリアではたいてい定額で電話かけ放題のプランがセットになっていたり、同じキャリア同士なら通話料が無料となっています。
ところがMVNOでは通話機能は最初から当然のようにセットされているものではなく、利用者が選択するものとして位置づけられています。
例えば電話としての機能は不要でデータ通信しかしないのならデータ専用通信SIMを利用で充分ですし、電話番号を持って普通に電話として利用したいのなら基本的には音声通話SIMを利用することになります。そして、格安SIMでは「かけ放題」プランがほとんどないので、通話料金は別に発生するという点にも注意が必要です。
「SMARTalk」や「ブラステル」などのアプリを利用すれば通話料を半額程度に抑えることができ、データ専用SIMでも利用できますが、ネット回線を利用するIP電話なので音質と通信の安定性の面で不安が残りますので、ビジネスシーンなどでの利用は厳しそうです。
このように、手間がかかったり契約が個別に増えたりするのは面倒だという方は大手キャリアを利用する方が向いていると言えるでしょう。
大手キャリアのように各種料金の割引がない!
大手キャリアでは、指定された携帯プロバイダのインターネット回線を利用していたり、家族に同じキャリアを利用している人がいたりすれば、代金の割引サービスを提供していることがほとんどです。
こうしたサービスはMVNOでも提供されていないわけではありませんが、お得度としてはそれほど大きなものではありません。
また、大手キャリア間で上手に乗り換えをすればハイスペックな端末をかなり安く利用することが可能です。
しかし格安SIMを利用する場合は端末代がほぼ実費になりますので、機種変更した場合の割高感は避けられないでしょう。
ここまで触れてきたように、格安SIMでは利用料金を低く抑えるために必要最低限の機能だけを基本的なサービスとして提供しています。
あとは利用者がそれぞれ必要なサービスをオプションとして付加していく方式なので、手間がかかってしまうのは仕方がない面もあるのですが、大手キャリアのサービスに慣れているとそれが非常に煩わしく感じられるのも事実でしょう。
業者の乗り換えをするのにも結構な手数料(3000円ほど)がかかりますので、「格安SIMに乗り換えれば料金が安くなる!」という言葉だけに惑わされないようにあらかじめしっかりとプランや手続きについて調べておかなければ、かえって損をしてしまうこともあります。
このように格安SIMの欠点を挙げてきましたが、それらは簡単にまとめてしまうと「格安SIM=上級者向け」だから生まれるものです。
このことを考えず「格安」の2文字だけで契約してしまうと、痛い目に遭ってしまうでしょう。
先に何度か触れましたが、細かな契約や端末の操作などに不安がある方は、大手キャリアからの乗り換えは避けるのが賢明と言えますね。