育児や介護、自身の病気などが原因で働くことができなかった場合、当面の生活の手段として国から生活保護を受けることが可能となっています。
生活保護を受ければ、「健康で文化的な最低限度の生活」が保証される、と言い換えることが出来るわけですが、生活保護の中身は具体的にはどのようになっているのでしょうか。
生活保護の内容やメリットとデメリットについて具体的に詳しく解説をおこなっていきたいと思います。
どういう人が生活保護の対象となるの?
生活保護の内容や、メリット・デメリットについて解説を行うに先立って、まずはどのような人が生活保護の対象となるのかについて見ていきましょう。
生活保護というのは誰でも受給できるというわけではなく、幾つかの条件を満たしている必要があります。
その条件というのは、
①資産や貯金などを保有していないこと
②扶養や補助をしてくれる親戚などがいないこと
③病気などの理由で働くことができないこと(例外あり)
④上記3点の条件を満たしており、収入が著しく少ないこと
この4つの条件全てを満たしている人が、生活保護の受給対象となっているのです。
そのため、病気などの理由で失業していても、潤沢な資産がある場合や親戚が養ってくれる場合などには生活保護を受けることはできませんし、単純に仕事が見つからないという理由で働いていない場合などには生活保護を受けることはできなくなっています。
また条件③に関しては例外的な措置も設けられていて、母子家庭で長時間勤務が難しく生活をおくるのに十分な収入を得られない場合や、フルタイムで働いていても生活をおくるのに十分な収入を得られない場合などには、仕事をしていても例外的に生活保護を受けることができます。
最近ではワーキングプア等の実情が浸透してきたこともあり、生活保護を受ける受け皿は大きくなってきているといえます。
生活に困ったときには、一人で悩むのではなく、法テラスなどの専門機関へ相談をすることをおすすめします。
生活保護を受給することのメリットとデメリットって!?
生活保護の受給対象となる具体的な条件などについての解説が済んだところで、続いては生活保護を受けることによって生じるメリットやデメリット等について詳しく紹介をしていきます。
まずはメリットとして真っ先に挙げることが出来るのが、毎月の生活費用が支給されるという点になります。
生活費用についてはどこに住んでいるによって金額が決まり、健康で文化的な最低限度の生活が送れるような金額に設定されています。
都心部などで一人暮らしをしている人の場合、概ね13万円程度の額が支給されることとなっているので、贅沢をしなければ、十分に生活を送れるだけの費用であるといえるでしょう。
また生活保護を受けている場合、各種支払いに関しても大きな優遇措置を受けることができます。
具体的には、医療費がすべて無料となったり、年金保険料の支払いや住民税や所得税などの支払い、またNHKの受信料といった各種支払いは基本的に全額免除となります。
加えて、東京都や大阪府などの一部地域に住んでいる場合には、水道料の基本使用料も全額免除となります。
毎月一定の生活保護費の受取ができる上に、これらの固定費用の支払いが免除ということで、生活保護を受けている場合には、最低賃金のみの収入で働くよりも快適な暮らしができる、といっても言い過ぎではないでしょう。
一方で、生活保護を受けることによって生じるデメリットとしては、様々な制限を受けたり、義務を負うことになる、ということが挙げられます。
より詳しく解説をしますと、生活保護費を受けている最中は基本的に貯金をすることはできず、もしも口座に一定額を超える貯金ができた場合には、生活保護費が減額されたり、受給が停止となることになります。
毎月の収入状況等については、ケースワーカーに報告する義務がありますし、社会福祉事務所は生活保護受給者の預金口座の残高や履歴などについて調査をする権限を持っているので、経済状況に関しては全てが筒抜けになると考えられるのです。
もしも嘘の報告や申告をした場合には、生活保護費の受給停止措置だけでなく、返還を求められることもあるので、報告や申告は正確に行うことが重要となります。
またこの他の代表的なデメリットとしては、原則としては自動車の保有が認められていないことや、ケースワーカーの指導に従って生活をしなければならないこと、病院にかかる際には原則指定病院で受診をしなければならないことなど、様々な制限を受けなければならないことが挙げられます。
まとめ
いかがでしたか。
生活保護はどのような人が受給可能となっていて、受給することにはどのようなメリットとデメリットがあるのかなどについて、おわかりいただけたでしょうか。
生活保護は世界に誇れるセーフティーネットの一つであると言っても過言ではありませんし、生活に困ったときには遠慮なく利用するべきだといえます。
法テラスなどでは生活保護受給に関する相談などの受付も行っているので、生活に困っているという場合には、まず人に相談することをおすすめします。