私たちは普段の生活の中で様々なタイプの税金を支払っていますが、その中でも特に仕組みが分かりにくいと言える税金の一つが住民税であるといえます。
住民税は収入状況に応じて支払額が変わる、地方税の一種ですが、他の税金と比較すると、支払い始めるタイミング等が異なるため、住民税支払いのために家計管理に苦労をしている人も決して少なくはないでしょう。
住民税の支払いはいつから始まるのかということや、支払金額はどのタイミングで更新されているのか、といった事などについて、解説をしていきます。
そもそも住民税ってどういうタイプの税金なの?
まずは住民税とはそもそもどういう性質の税金なのかということや、住民税の概要などについて解説をおこなっていきます。
住民税は国に納める消費税などとは異なり、納付先については納税者が暮らしている都道府県であり、市町村となっています。
住民税はその地域に暮らす人々の生活を向上させることを目的に徴収される地方税であり、その人の収入によって税額が決まるという特性がありますし、一定の条件を満たすことで税額が控除されるという特性もあります。
また住民税の最も大きな特徴として、その年の収入ではなく、前年の収入をベースとして納税額を算出し、納税をするということが挙げられます。
そのため、前年に多くの収入があった場合には、その翌年にたとえ失業をしていたとしても、比較的高額の住民税が発生することとなります。
その年の3月に定年退職をした場合でも、前年にしっかりと稼いでいた場合には、定年退職をする以前に支払っていたのと同額程度の住民税が発生することとなるので、定年退職を翌年に控えているという場合には、税金支払のことも考慮して貯金をしておくことをおすすめします。
なお、住民税の性質は所得税とよく似ていて、よく混同してしまいがちですが、所得税は国に納める税金であること、その年の稼ぎをその年のうちに納める、という点において住民税と異なるということを覚えておきましょう。
住民税の支払いが更新されるタイミングと控除の種類って?!
続いて、住民税の更新のタイミングはいつなのかということや、住民税にはどのような控除の仕組みがあるのか、といった事などについて紹介をおこなっていきます。
住民税が更新されるタイミングについては、基本的にはその年の6月となっています。
前年の所得に応じて算出した税額を、その年の1月1日時点で住民票のある地域に対して、6月から翌年の5月まで1年間掛けて納税していくこととなっているのです。
会社勤めをしている場合、算出された住民税は12等分され、給与天引きで1年間をかけて支払っていくこととなっています(特別徴収)。
新卒採用で会社に就職した場合、所得税はすぐに徴収されるのに対し、住民税が徴収され始めるのが2年目の6月からとなっているのは、このようなカラクリがあるためなのです。
なお、会社勤めをしていない、個人事業主や年金受給者の場合、給与天引きではなく、市町村から送付される納付書を用いて、自ら手続きを行い、一括若しくは年4回に分けて納税することとなります(普通徴収)。
それまで会社勤めをしていた人の場合、税金の納付方法が特別徴収から普通徴収へと切り替わることとなるので、忘れずに納付を行うようにしましょう。
なお、住民税には全ての納税者が適用対象となる基礎控除をはじめ、所得税と同様に配偶者特別控除や医療控除、生命保険料控除等の各種控除があります。
会社勤めをしている人の場合、基本的には年末調整によって自動的に各種控除が適用されますが、ふるさと納税等をおこなった場合には、翌年に確定申告をしなければ控除を受けることができないケースもあるので、ふるさと納税等をおこなった場合には、忘れずに確定申告を行うように注意をしておきましょう。
住民税は、前年の所得を基準に、その翌年に納付書が届くということもあって、人によっては失業や自然災害などの理由で納付が難しいという事も考えられます。
もしも納付が難しい場合には、決して放置をせず、市役所などへ足を運んで相談をすることが大切になります。
生活保護の受給対象者となった場合や、失業した場合、大規模な自然災害などに遭った場合などには、減免措置の対象となり、手続きを行うことで、住民税納付が減免措置されることがあるのです。
もしも納付ができ無いからといってそのまま放置をしていた場合、財産の差押えがされてしまうこともあるので、納付が難しい場合には、まず相談をすることが大切になります。
まとめ
いかがでしたか。
住民税とは一体どのような税金なのかということや、納税額が更新されるタイミング等について、おわかりいただけたでしょうか。
住民税は、自分の暮らしている地域をより住みやすい地域にするために、必要不可欠な税金であるといっても過言ではありません。
納税義務が生じた際には、確実に納税を行い、よりより街づくりに貢献したいですね。