一般的なサラリーマンであれば、確定申告を行わない代わりに、毎年年末になると会社で年末調整が行われ、この手続きを行うことでその一年間に払いすぎた所得税の還付を受けたり、来年支払うこととなる住民税の金額が決定されることとなります。
年末調整では、一定の条件を満たしていれば、税金が控除されるわけですが、多くの人に当てはまると考えられる控除が保険料控除であると考えられます。
この保険料控除とは一体どのようなものなのかということや、どのような保険料の支払いに対して控除を受けられるのかなどについて、紹介をおこなっていきたいと思います。
保険料控除ってなんなの?
まずは、保険料控除とはいったいどういうものなのか、といったことについて解説を行なっていきます。
保険料控除というのは、その年に支払った社会保険料や生命保険料、地震保険料等が対象とされている控除制度であり、年末調整でこれらの保険料をいくら支払ったのかを申請することによって、税金が減額されるという恩恵をうけることができます。
ここで該当する社会保険料というのは、国民年金保険料・厚生年金保険料や国民健康保険料、介護保険料や雇用保険の労働保険料などが当てはまります。
また保険料控除の対象とされている生命保険料とは、一般生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料が該当します。
地震保険料については控除限度額が最高で5万円までとなっており、自身が暮らしている住居や生活不動産などにかかっている地震保険料が控除の対象となっています。
事業用として利用している建物の地震保険料に関しては控除の対象外となっている点に注意が必要となります。
なお、この3種類の保険料控除のうち、サラリーマンが年末調整の際に特に気をつけなければならないのが、生命保険料控除と地震保険料控除となります。
社会保険料については、基本的には給与天引きによって支払いをしているため、特別な手続きを行わなくても控除を受けることができます。
但し大学生の子どもの年金保険料を支払ったなど、源泉徴収後の手取りの給料からさらに社会保険料を支払った場合には、年末調整の際に申告をしないと、少ない控除額で税額が計上されてしまうこととなるので、この点にだけ注意をしておきましょう。
生命保険料控除と地震保険料控除を申請する時に気をつけることって?
生命保険料控除と地震保険料控除については、年末調整の際にしっかりと申告をする必要があります。
これらの控除申請を行う際に、注意すべき点について、詳しく解説を行なっていきます。
まず生命保険料控除についてですが、特に気をつけておくべきこととして紹介したいのが、生命保険料控除証明が必要になる、ということになります。
生命保険料控除が可能な生命保険などに加入をしている場合、一般的には10月頃に保険会社からハガキなどで生命保険料控除証明書が送付されます。
年末調整で生命保険料控除を受けるためにはこの書類が必要不可欠であるとともに、保険会社によってはこの証明書類の再発行は受け付けていない、というケースがあるので、生命保険料控除証明書が届いた際には、年末調整まで大事に保管しておくことを強く推奨します。
なお、生命保険料控除は国内の会社や共済が取り扱う生命保険商品であれば大体が対象となっていますが、外国の保険会社の生命保険商品の場合は対象外となっているので、生命保険選びを行う際には、国内の会社の商品絵を選ぶと税金がオトクだということを心に留めて商品選びをすると良いでしょう。
次に地震保険料控除についてですが、こちらも生命保険料控除と同様に、保険会社が発行する証明書が必要となっている点に注意が必要です。
地震保険に加入した場合には、保険会社から「地震保険料控除証明書」という書類が送付されることとなっています。
保険証券に同封されて、若しくはハガキで送られてくるケースが多くなっているので、届いた証明書は年末調整の時期が訪れるまで大切に保管をしておきましょう。
なお、地震保険を補う形の保険として、少額短期型の地震補償保険という保険商品もありますが、こちらの保険商品は地震保険料控除の対象外の保険商品となっているので、もしも加入する際には税制面での優遇措置がないことをしっかり把握しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
具体的にどのような支払いをした場合に保険料控除を受けることができるのかということや、年末調整で申告を行う際にはどのような書類が必要なのかということなどについて、おわかりいただけたでしょうか。
生命保険料控除や地震保険料控除を受けるためには、年末調整で手続きを行うことももちろん重要ですが、保険に加入する段階で控除の対象となっている商品を確実に選ぶことも重要となります。
生命保険商品や地震保険商品を選ぶ際には、担当の保険会社の職員に控除の対象の商品なのかどうかを確実に確認するようにすると、後悔する可能性は大きく下げることが出来ると言っても過言ではないでしょう。