今日では趣味や副業として資産運用をしている人は多くいると考えられるわけですが、資産運用によって得た儲けに対しても税金がかかることを正確に理解している人はあまり多くはいないと考えられます。
確定申告や年末調整が不要とされているので、あまり意識はしていませんが、定期預金で得た利息についても私たちはきちんと税金を納めていますし、もちろん国債の利子に対しても税金を納めています。
初心者でも気軽にできる投資の方法として、近年高い注目を集めている投資信託についても、利益を上げた場合には利息を支払わなくてはならないと考えられるわけですが、その詳細は果たしてどうなっているのでしょうか。
投資信託で儲けた場合には税金を納めなくちゃいけないの?
最初に結論から申し上げますと、投資信託で利益を上げた場合には税金を納める必要があります。
投資信託を解約・譲渡したときや分配金を得たとき、満期を迎えたときなどに利益が出た場合には、その利益に対して原則20.315%の税金がかかってくるのです。
単に投資信託を購入したり、損をしてしまった場合には税金が発生することはありませんが、儲けが出たときにはその2割以上を税金として納める必要がある、ということをよく覚えておくようにしましょう。
しかしこの20.315%の税率をゼロにする方法があります。
NISA(少額投資非課税制度)を利用することで、一定金額までの投資によって得られた儲けに対して、税率をゼロとし、儲けをまるまる自分のものとすることが出来るのです。
NISAとは2014年に誰でも気軽に投資を始められるようにと設けられた制度であり、2017年4月10日現在で、年間120万円までの投資金によって得られた儲けに対して、かかる税金がゼロとなっています。
NISAを利用するためには、幾つかの手続きを取る必要がありますが、きちんとNISAの利用登録手続きを行い、投資信託の金額を年間120万円までとすることで、投資信託によって得た儲けに対しては税金が発生しないので、非常にお得に資産を運用することが出来るのです。
NISAを利用するための具体的な方法と利用の際の注意点って?!
NISAを利用すれば、投資信託によって得た利益にかかる税金をゼロとすることが出来るということはお分かりいただけたかと思います。
続いては、NISAを利用するためには具体的にはどうすればよいのかということや、NISAを利用する上での注意点などについて、解説を行なっていきたいと思います。
NISAを利用するためにまず必要となるのが、取引用の口座となります。
投資信託の売買を行おうと考えている銀行や証券会社に口座開設をおこない、口座開設が済んだらその口座をNISA口座とする手続きを行うのです。
なお、NISA口座として設定できる口座はひとつだけとなっているので、どの口座をNISA口座とするのかについてはよく吟味する必要があると言えるでしょう。
手数料が安い大手ネット証券や、預金商品とセットで利用しているメインバンクの口座などをNISA口座としておくと、後悔することが少ないと考えられるのでおすすめとなります。
投資信託用の口座概説が済んだら、NISA口座の資料請求をおこない、NISA口座申込書・住民票の写し・本人確認書類・マイナンバーカードの写しの4点を併せて提出することで、希望する投資信託用の口座をNISA口座とすることができます。
また、一度設定したNISA口座は後から変更することも出来るので、NISA口座として設定した金融機関が利用しにくいと感じたのであれば、迷わずに変更手続きを取ると良いでしょう。
なお、NISAを利用する上での注意点として特に申し上げたいのが、NISA用口座での取引によって生じた損益と、その他の投資信託用の口座での取引で生じた損益については損益通算ができない、という点になります。
投資信託をおこなっていれば、利益を得られるときもあれば、損をしてしまうこともあります。
取引によって生じた損益については、通常であれば各口座のものを合算し、最終的に生じた損益を確定申告を通じて税務署に報告することになるのですが、NISA口座での取引によって生じた損益については損切りされてしまう、と言っても過言ではないのです。
NISA口座以外にも口座を保有していて、複数の口座で取引をしている、若しくはしようと考えている場合には注意が必要となるのです。
まとめ
いかがでしたか。
NISAを利用すれば、非常にお得に投資信託を行えること、NISAの利用方法、NISAを利用する上で気をつけなければならないことなどについて、おわかりいただけたでしょうか。
投資信託はプロが運用をしてくれるので、初心者でも気軽にできる投資と言えますし、その上NISAを利用すれば、得られた儲けをそっくりそのまま自分のものにできる、非常にオトクな投資の手段と言っても言い過ぎではありません。
投資信託とNISAを組み合わせて、合理的な資産運用をしたいですね。