サラリーマンには節約という言葉は関係あっても、節税という単語にはなかなかピンとこない方も多いはずです。
しかし、お給料の中から税金は引かれていますので、それを抑えることで余計な税金を支払わずに済むことができます。
そこで、今回はサラリーマンができる節税について紹介していきます。
保険料を支払っている方が受けることのできる節税とは?
サラリーマンが支払っている税金の筆頭にはまず所得税が挙げられます。
ここで、所得税の算出方法を知っておくことが大事になります。
所得税を求めるには、①給与の収入金額(年収)-給与所得控除=給与所得
②給与所得 -各種所得控除=課税所得
③課税所得 ×税率 =所得税
となります。
②に記載されているマイナス部分、各所得控除という部分を上手に使うことで所得税の節税になり、所得税の支払いを抑えることになったり、支払っている税金を還付してもらうこともできます。
年末調整で控除してもらうことができるものとしては、生命保険料控除や地震保険料控除、扶養控除などがあります。
このあたりの控除は会社への申告が必要になりますから、年末調整をしてもらっていればきちんと控除してもらえているはずですが、生命保険に関しては保険の入り方によって控除を受ける金額を大きくするような保険の入り方を考えることができます。
また、保険料の控除に当たっては、平成24年1月1日からは新制度の計算方法が採用されています。
これから生命保険に加入しようと考えている方にとっては、3種類の保険の種類に分類されますので、これを理解して加入することやきちんと判断することでよりお得に控除を受けることができます。
一般の生命保険(民間の生命保険会社との生命保険契約)、介護医療保険(医療費に対する保険の契約)、そして、個人年金保険です。
それぞれの控除の上限は4万円で全て合算すると最高12万円まで控除されます。
支払保険料によって控除額は変わり、計算式は以下のようになってきます。
新契約(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額
年間の支払保険料等 控除額 20,000円以下 支払保険料等の全額 20,000円超 40,000円以下 支払保険料等×1/2+10,000円 40,000円超 80,000円以下 支払保険料等×1/4+20,000円 80,000円超 一律40,000円 2017年4月6日現在
医療費控除を申請することで、世帯ごと節税できる!
医療費控除額は、世帯で1月1日から12月31日までに支払った医療費を合算して、「医療費の支払い額-保険金などで補てんされる金額-10万円」という式を用いて算出できます。
算出された額がプラスであればその分の所得控除が受けられます。
市販薬でも風邪薬などは医療費控除に使うことができますので、レシートを保管しておくことが大切になってきます。
この時に大事なのが領収書です。
医療費控除を行うにはサラリーマンでも確定申告を行って申告をしないと控除措置を受けることができないからです。
申告自体は難しいものではなく、下記の国税庁HPからフォームに従って入力していけば完了します。
領収書と一緒に管轄の税務署へ提出、郵送、ポストへの投函でも受け付けてもらえます。
(国税庁・確定申告書作成HP https://www.keisan.nta.go.jp/h28/ta_top.htm#bsctrl)
医師の診察によるものや、治療や薬の処方であればの控除に含むことができます。
しかしビタミン剤や疲れを癒すためのマッサージなど「治療に該当しないもの」は含まれないので注意が必要です。
さらに、平成29年1月1日から平成33年12月31日まではセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)というものが新設されました。
平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の特定一般用医薬品等購入費を支払った場合において、その年中に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の健康診査や予防接種などを行っているときには、選択により、その年中の特定一般用医薬品等購入費の合計額(保険金等により補填される部分の金額を除きます。)のうち、1万2千円を超える部分の金額(8万8千円を限度)を控除額とするセルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)が創設されています。
2017年4月2日現在
このセルフメディケーションを利用するには、健康診断や、予防接種を受けていることを証明しなければいけませんが、多くのサラリーマンであれば職場で健康診断を受けているはずですから、その結果とレシートを取っておくだけで節税できる可能性があります。
ふるさと納税を活用してお得に節税するためには?
最近話題になっており、多くの返戻品が届くとされているふるさと納税ですが、こちらも税金を好きな自治体に払うのと同時に節税にも役立つのです。
ふるさと納税は基本的には各都道府県や市区町村への寄付ということになりますが、確定申告を行うことで所得控除として使うことができるようになります。
こちらも所得控除のためには、支払うだけでなく自分で確定申告をする必要があります。
ふるさと納税は原則として自己負担額の2000円を除いた金額が控除の対象となります。
自己負担額から2000円を除いた全額が控除される目安となる金額の一覧は家族構成や収入によっても違っていますが目安は下記のようになっています。
ふるさと納税を行う本人の給与収入ふるさと納税を行う方の家族構成 独身又は共働き 夫婦又は共働き+子1人(高校生) 共働き+子1人(大学生) 夫婦+子1人(高校生) 共働き+子2人(大学生と高校生) 夫婦+子2人(大学生と高校生) 300万 28,000円 19,000円 15,000円 11,000円 7,000円 - 325万 31,000円 23,000円 18,000円 14,000円 10,000円 3,000円 350万 34,000円 26,000円 22,000円 18,000円 13,000円 5,000円 375万 38,000円 29,000円 25,000円 21,000円 17,000円 8,000円 400万 42,000円 33,000円 29,000円 25,000円 21,000円 12,000円 425万 45,000円 37,000円 33,000円 29,000円 24,000円 16,000円 450万 52,000円 41,000円 37,000円 33,000円 28,000円 20,000円 475万 56,000円 45,000円 40,000円 36,000円 32,000円 24,000円 500万 61,000円 49,000円 44,000円 40,000円 36,000円 28,000円 2017年4月4日現在
各自治体から証明書・受領書を受け取り、それらの書類を添付することが必要になりますので、ふるさと納税をして控除を受けようと考えているときには確定申告時までこれらの書類を大事に保管しておく必要があります。
ふるさと納税に関しては寄付するのが5団体以内である場合には、納税先の自治体に申請書を出すことでふるさと納税ワンストップ特例というものを使って、確定申告を行わずに控除を行うこともできますので、利用しやすい制度になっています。
この記事をきっかけに「サラリーマンでも節税法はいろいろある」ことを知っていただければ何よりです。