一般的なサラリーマンであれば、自己都合にせよ、会社都合にせよ、それまで勤めていた会社を退職し、次の仕事がなかなか見つからなかった場合には、仕事が見つかるまでの一定期間失業手当を受け取ることができます。
しかしながら、失業手当が永遠に受給できるわけではありませんし、会社に勤めていた期間や自己都合で退職したのか会社都合で退職したのか等によって、受給期間が大きく異なっています。
具体的にどの程度の間失業手当が受給できるのかということや、受給するための条件などについて、詳しくみていきましょう。
そもそも失業手当を貰うための条件はどうなっているの?
失業手当が貰える期間について解説をする前に、まずは失業手当を貰うための条件等について解説を行なっていきます。
失業手当を受給するためには条件が設けられているのですが、その条件とは、
①本人に働く能力と意思があること
②就職のための具体的な活動を行っていること
③退職した前日までの2年間に12ヶ月以上雇用保険の被保険者期間があること
の3点となっています。
この3つの条件全てを満たしている必要があるわけですが、特に気をつけていただきたいのが、①の条件となります。
例えば退職後は学校(職業訓練学校を除く)に入学しようと考えている人や、専業主婦(主夫)になろうと考えている人、病気や怪我などですぐに働くことができない場合などは、『本人に働く意思と能力がある』とはみなされないので受給対象外となるのです。
もしも退職後すぐに再就職するつもりがないのに失業手当の申請を行い、失業手当を受給した場合には、不正受給とみなされ、受給した金額の3倍の金額を返す義務が生じる恐れもあるので、くれぐれも注意をしておきましょう。
なお、条件②の具体的な活動とは、ハローワークが主催するセミナーへの参加や企業の求人への応募、就職に有利となる資格試験の受験などが該当し、4週間の間に少なくても2回以上、これらの活動をする必要があります。
失業手当を受給するためには、ハローワークで失業認定をしてもらう必要があるのですが、失業認定は4週間に1度のペースで行われます。
この間に具体的な活動を行うことで、『働く意志があるのに仕事が見つからない』と認められ、失業手当が貰えるというわけなのです。
失業手当が貰える期間はどうなっているの?
失業手当の受給条件等についての解説が済んだところで、いよいよ失業手当が貰える期間はどうなっているのかについてみていきましょう。
失業手当が貰える期間については、自己都合退職なのか会社都合退職なのか、雇用保険の加入期間がどのくらいなのか、退職時の年齢は何歳だったのかなどの条件によって決定がされるのですが、最も短い場合で90日間、逆に最も長い場合で330日間となっています。
受給期間についてより詳しくみていきましょう。
まず自己都合退職の場合ですが、自己都合で退職した場合には退職時の年齢は受給期間には反映されず、雇用保険の加入期間によって受給期間が決定されることとなります。
加入期間が10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日となっています。
自己都合退職の場合の受給期間は90日〜150日だということを覚えておくと良いでしょう。
一方で会社都合退職の場合は雇用保険の加入期間に加えて、退職時の年齢も受給期間決定に大きく関わってきます。
雇用保険の加入期間が1年未満である場合には年齢に関係なく受給期間は90日となっているのですが、1年以上となると退職時の年齢によって受給期間に差が生じてきます。
最も受給期間が長いのは年齢が45歳以上60歳未満である場合で、この年齢幅に当てはまり、尚且つ雇用保険の加入期間が20年以上ある場合、受給期間は最大の330日となるのです。
因みに年齢の括りは5つの段階に分かれています。
30歳未満の場合は受給期間が90日〜180日、30歳以上35歳未満は90日〜240日、35歳以上45歳未満は90日〜270日、45歳以上60歳未満は90日〜330日、60歳以上65歳未満は90日〜240日がそれぞれ受給期間となっています。
こうして比較してみると、自己都合退職の場合も、会社都合退職の場合も、最低受給期間は90日と同じであるものの、最長受給期間については大きな違いがあることがよくわかりますね。
まとめ
いかがでしたか。
失業手当を受給するための条件や注意事項、失業手当の受給期間などについて、おわかりいただけたでしょうか。
退職時の年齢が30歳未満である場合や雇用保険への加入期間が短い場合には、自己都合退職でも会社都合退職でも失業手当の受給期間に大きな差は生じにくくなっていますが、退職時の年齢が30歳を超えている場合や、失業保険への加入期間が長い場合には、どうった都合で退職したのかは失業手当の給付期間に大きく関係してきます。
会社都合で退職したはずなのに、会社から送られてきた書類を見てみると自己都合退職とされていた、というケースはたびたび見られるのですが、このようなことが起きた場合、失業給付の受給期間が著しく短くなってしまう恐れがあります。
きちんと失業給付を受給するためにも、退職都合がおかしいと思ったときには、迷わず訂正手続きを取ることをおすすめします。