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内職といえば、以前は自宅での縫製作業や大量のシール貼り、封筒貼りなどのイメージが強いものでした。
しかし現在の内職では、様々なジャンルの仕事ができるようになりました。実際にはどのような内職があるのか、どうやってその仕事を得るのか、在宅ワークの実情を調べてみました。
在宅ワークは「クラウドソーシング」の時代へ
一昔前まで、内職は袋詰め、封入作業などしても1つ○銭ほどしかもらえず、大量に作っても小銭程度しか稼げないという時代でした。
パソコンが仕事の主流になり始めてからも、パソコンの内職といえば最初に高額の教材費を払わされて、その後はろくに仕事をもらえない「パソコン内職詐欺」が横行し、在宅で仕事をしようとする主婦たちが多数被害にあいました。
現在は、ネットで探せば簡単に在宅で仕事が見つかる上に、仕事内容も色々と自分で選べるようになりました。
特に最近になって目立つようになったのが「クラウドソーシング」という仕事の仕方です。
どこでも誰にでも利用することができるため、学生から専業主婦、さらに副業がしたいサラリーマンまでと、幅広く利用されています。
クラウドソーシングでできる仕事
クラウドソーシング(Crowd Sourcing)とは、インターネット越しに不特定多数に対して業務を依頼したり受託したりすることができる雇用形態、およびサービスのことです。
クラウドソーシングを使って仕事をしたい人は、クラウドソーシングサービス会社に登録し、色んなジャンルの仕事の中から自分にできる仕事を見つけて応募します。
採用された場合は、クライアントの指示に従って仕事を開始します。
クラウドソーシングでできる仕事の例としては、ライティング、データ入力、ネーミング、イラスト、ロゴデザイン、ウェブサイト制作、システム開発、翻訳、文字起こしなど、があり、自分が出来そうだと思うものを、様々なジャンルの中から選ぶことができるようになっています。
一見難しそうに思えますが、中にはアンケートに答えるだけ、あるいはレビューを投稿するだけといった簡単な作業もあるため、全くできる仕事がないという心配はいりません。
クラウドソーシングサービスで仕事を始めるには?
クラウドソーシングサービスを利用するには、各社に登録する必要があります。
それぞれ違った特色があるので、自分にあったサービスはどこか、実際に体験してみると良いかもしれません。
登録は無料なので、気軽に仕事を始めることができます。
ランサーズ http://www.lancers.jp/ |
2008年に誕生した大手クラウドソーシングサービス。登録者数、仕事の種類など国内最大規模。案件も豊富で使いやすい。 |
クラウドワークス https://crowdworks.co.jp/ |
22万人以上が登録していて、案件も豊富でランサーズに次ぐ規模を誇る。メディアにもよく登場する大手クラウドソーシングサービス。 |
CROWD http://realworld.jp/crowd/ |
登録者数が非常に多い大手クラウドソーシングサービス。ライティングの仕事が多い。仕事の種類は少ないが、大手ポイントサイトのげん玉と共通のアカウントのため、ポイントも共通で利用できる。 |
シュフティhttps://www.shufti.jp/ | 2007年から登場した老舗の主婦向けクラウドソーシングサービス。初心者へのサポートが豊富で専門的なスキルがなくてもできる仕事が豊富。 |
Job-Hub https://jobhub.jp/ |
人材派遣会社、パソナグループが運営している。 job-Hubが受注した仕事を業務委託される、job-Hubマルチソーシングという仕事の仕方も選択できる。 |
Shinobiライティング https://crowd.biz-samurai.com/ |
ライティングに特化したクラウドソーシングサービス。ライターを目指す人に人気があり、案件も豊富。 |
在宅ワークのメリット・デメリット
在宅ワークは時間の融通がきくので一見メリットが多そうですが、実際に在宅で仕事をやってみて良い点、悪い点を、現役の在宅ワーカーにリサーチした結果を見てみましょう。
◎在宅ワークのメリット
・好きな時間に働ける(1位)
・通勤ラッシュなどが回避できる(2位)
・好きな仕事ができる(3位)
・育児をしながら仕事が出来る(4位)
・わずらわしい上司や同僚との関係がない(5位)
・介護をしながら仕事ができる(6位)
・家族の転勤などに対処できる(7位)
◎在宅ワークのデメリット
・安定した収入を得ることが難しい(1位)
・社会保障(年金、健康保険)が雇用されているときより薄くなる(2位)
・プライベートに仕事を持ち込んでしまう(3位)
・大きな仕事を請けることができない(4位)
・人間関係が狭くなる(5位)
・世の中の動きに疎くなる(6位)
(参照元: 2016年3月 特定非営利活動法人フラウネッツ「在宅ワークに関する意識・実態調査」https://www.fraunetz.com/f0330.pdf)
在宅ワークの仕事の悩みや不安は?という質問では、「期待する年収が得られない」「仕事の探し方、増やし方が分からない」「受注件数が伸びない」などといった回答が多く得られました。
在宅ワークは時間の管理を自分で行なうことができるため、育児中の主婦などにはとても働きやすい一方で、常に仕事があるわけではなく、またクライアントの意向次第で仕事がなくなってしまうこともあり、収入にばらつきができてしまいます。
また時間管理が自分の好きにできるということは、会社の就業時間のように明確に仕事の時間を決めていないと、オン・オフの切替えができにくく、プライベートと仕事をきっちり分けたいという人には不向きかもしれません。
在宅ワークで詐欺?主婦を狙う悪質業者
在宅ワークでの詐欺は昔から多くきかれますが、最近でもまだ在宅ワーカーを狙う業者が多く存在します。
実際にあったケースでは、独立行政法人国民生活センターに寄せられた相談で、メールマガジンの原稿を作成する内職の仕事をきっかけに、文章を褒められ、他の有償で行うホームページ作成の仕事をすすめられるケースがあります。
そのときに、すぐに元がとれる、もうからなければ返金するなどといわれて、その費用を消費者金融などから借金をして支払ったが、結局全くもうからなかったという被害が多数報告されています。
20代~40代の女性の被害が多く、在宅で仕事をする主婦が狙われやすくなっています。
お金を支払って請け負う仕事はありませんので、借金をしてまで仕事をしようとは思わないように注意をしてください。
(参照元:http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140605_1.html)
また、クラウドソーシングサービスにも、簡単な作業で月に何十万も稼げるなどといった高額な案件が出ることがあり、実際に仕事に応募すると、実は最初に○万円かかるなどと初期費用を払わせる業者も存在します。
ほとんどが詐欺かマルチ商法への勧誘などが疑われます。
楽に稼げる仕事は滅多(めった)にありません。やたらに高額の収入を匂わせる、初期費用がかかるなどといった仕事は引き受けないようにしましょう。
まとめ
在宅ワークはクラウドソーシングサービスの登場により、気軽にそして比較的安心して仕事を始めることができるようになりました。
しかし、安定した高収入を得ている人は少なく、在宅ワークの道は決して楽なものではありません。
毎月安定して収入を得るには、ただできそうな仕事だけを見つけて続けていくのではなく、自分自身も知識や技術をスキルアップさせるため、日々努力することが必要なのではないでしょうか。