日銀が行なったマイナス金利政策の影響もあり、現在では各銀行の定期預金の金利が雀の涙ほどの数値となっているため、資産運用の方法として定期預金を行うことの有効性が薄れてきています。
まとまった貯金ができた時に賢く運用する方法として近年高い注目と人気を集めているのが投資なのですが、投資は定期預金と比べると危険だというイメージを抱く人が多く、その結果、投資に興味を持ちつつも手が出せないという人が多くいます。
しかしながら、投資はその仕組みを理解すれば決して危険なものではありませんし、誰でも気軽に出来るということがわかります。
投資のメリットや初心者におすすめの投資方法などについて紹介をしていきます。
投資が怖いと感じる原因は?
まずは、一般的な人がどうして投資を怖いと感じてしまうのかということ、その原因はどこにあるのかということなどについて、みていきましょう。
投資を行ったことがない人が投資を怖いと感じてしまう一番の原因は、投資にはリスクが有ること、失敗して損をしてしまう可能性があるという点が最も大きなウエイトを占めていると考えられます。
日本のバブル経済がはじけた直後や米国でリーマン・ブラザーズショックが起きた直後、投資家は例外なく損をしてしまいましたし、人によっては多額の負債を抱える事となりました。
こういったネガティブな情報が脳にインプットされてしまっているため、多くの人が投資を怖い=人生を破滅させてしまうかもしれないもの、と捉えてしまっていると考えられるのです。
投資=ギャンブルは間違い!
投資は不確実性が伴うこと、運用の仕方次第では大きな損失が出てしまう可能性がある一方で、大きな利益を生み出す可能性もある、ということから、投資をギャンブルの用に考えてしまう人も少なくはありません。
しかしながら、投資はギャンブルとは全く性質の異なるものだと断言できます。
将来の結果を予測し、その予測に対して出資を行い、リターンを得るという点では投資もギャンブルも同じかもしれませんが、ギャンブルに勝てるかどうかが全くの運であるのに対し、投資は知識と経験を積み重ねることで誰でも高確率でリターンを得られるようになります。
最近では「自分への投資」という表現を用いて、自己のスキルアップのために資金を投入する人が多くいます。
これは短期的にはマイナスの出費となるものの、将来的にはスキルアップをして投じた資金以上の効果が得られることを期待して、お金を使っていると考えられる訳ですが、まさに投資の真髄はこの点にあります。
ギャンブルに勝てるかどうかは運であるため、ギャンブルを長くやっていてもビギナーであっても勝つ確率は等しいといえます。
一方で、投資は「自分への投資」と同じで、知識や経験を積み重ねることで勝つ確率を高めることができます。
つまり出資した金額と時間に見合うだけのリターンを得やすいという大きな特徴があるのです。
家計から投資にいくらまわしてもOKなの?
続いては投資の実践的な知識について解説をしていきたいと思います。
これから投資を行おうと考えている人が悩むことの一つとして、現在の貯金のうちの何割を投資に回したら良いのか分からない、ということが挙げられます。
投資は預金と比較して大きなリターンが期待できますが、リスクがほぼゼロに近い定期預金などと比較すると投資には元本割れのリスクがあるため、貯金の全額を投資にまわすのは得策とはいえないでしょう。
また預金であれば急遽現金が必要となった場合にすぐに現金を用意できますが、投資は流動性が低いため、必要な時でもすぐに現金化することが難しいですし、中途解約をしたばかりに元本割れを起こしてしまうケースも考えられます。
これらの理由から、預金と投資を組み合わせて資産運用を行うのが得策といえるのですが、預金と投資の割合をどうするのかというのは、各々の目的によって大きく異なります。
預金と投資の割合については絶対的な正解はありませんが、投資の初心者や安全性を第一に考えるという人であれば、預金が7割〜9割・投資が1割から3割、といった比率で投資を行うのがおすすめです。
投資に慣れてきて、より積極的に資産を増やしたいという場合には、預金が4割〜5割・投資が5割〜6割といった割合にすると良いでしょう。
なおリスクと流動性の問題から、投資の割合を極端に増やすことはお薦めできません。
プロの投資家でもない限り、投資の割合を9割〜10割にするというのは避けておいたほうが無難でしょう。
こつこつ資産形成するおすすめの投資は?
預金と投資の割合をどうするのか、ということと並んで、初心者の頭を悩ますもう一つの大きな事柄としては、どの商品に投資をすればよいのか、ということになります。
ひとえに投資と言っても様々な商品がありますし、どの商品に投資をするのかによって、勉強の仕方や資産管理の仕方、リスク・ヘッジの方法などが大きく異なってきます。
数ある投資方法の中でも、初心者でも無理なく始めることができ、長い期間をかけてこつこつと資産を増やそうと考えている人にお薦めしたいのが、投資信託となります。
投資信託というのは、自身が投資家となって資金の出資をおこない、運用についてはプロが行うという形の投資方法となっています。
実際の運用はプロがおこなってくれるので、専門的な知識を持っていない人でも気軽に始めることができますし、投信積み立てという方法で投資をすれば、毎月少額からコツコツと一定の割合で投資をし続けることができます。
投信積み立ては、毎月1000円の積立から開始できるケースも多いので、これから投資を始めてみようと考えている人には特におすすめができる投資方法となっています。
また投資信託によって生じた利益については、NISAやジュニアNISAといった制度を利用することで一定額まで非課税となるので、FXなどの投資方法よりも税制面で優位性があるという点も大きな魅力であると言えそうですね。
まとめ
いかがでしたか。
投資はギャンブルとは全く性質の異なるものであるということや、資産運用として投資を行うメリット、初心者でも気軽に始めることができる投資にはどんなものがあるのかということなどについて、おわかりいただけたでしょうか。
現在は定期預金の金利が驚くほど低くなっていますし、NISAやイデコなどの登場によって投資に対する税制優遇措置が非常に強くなりました。
これからは安全性の高い預金よりも投資によって資産運用をするのがメジャーになる時代が到来すると予想できますし、年令や性別に関係なく投資に興味を持つ人は多くなっています。
築き上げた資産を合理的に運用するためにも、ぜひとも投資にチャレンジしてみることをおすすめします。