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生命保険の基本的な考え方|入らなくても大丈夫なの?


日本においては、「結婚をしたら生命保険に入る」という考え方がまだ主流なようです。

一方、最近では「手厚い保障を受けられる日本では生命保険は必要ない!」といった声も聞こえ始めています。

どちらの考え方が正しいのでしょうか?

今回は、生命保険の基本的な考え方について解説していきます。

 

生命保険へ入る目的って何?どんな人にとって必要なの?

生命保険で安心を与えるイメージ

 

生命保険が必要かどうかを考えるために、まずは「何の目的で生命保険に入るのか」を確認しましょう。

生命保険の目的とは、「その人が死亡すると生活が困る人のため」に入るものです。

そう考えると、「独身の方」「子供のいない夫婦」「子供のいる夫婦」では全く状況が異なるのが分かるでしょう。

 

①「独身の方」であれば、親や親族の生活も支えているようなケースを除けば、たとえ亡くなっても生活に困る人はいないと考えて良いでしょう。

そのため、生命保険に入る必要性はそう高くありません。

 

②「子供のいない夫婦」の場合も同様で、たとえ夫が亡くなったとしても残された妻が働いて自身が生活できるだけの収入を得ることはそう難しくないはずです。

よって、何かの事情で妻が働くのが困難な場合などをのぞいて、やはり生命保険に入る必要性はあまり高くないと言えます。

 

③最も生命保険に入る必要性が高いのは「子供のいる夫婦」の場合です。

夫が家計を支えている場合、亡くなってしまうと残された妻は子育てと仕事の両立という非常に困難な状況に陥る可能性があります。

 

そこで、生命保険に加入していない「子供のいる夫婦」で夫が亡くなってしまった場合、どのような社会保障を受けることができるのかを重点的に解説していきます。

 

夫が亡くなったらどうなる?遺族年金はどれくらいもらえるの?

夫を亡くし絶望するイメージ

 

一家の大黒柱である夫が亡くなった場合にどのような保障を受けることができるのかを見ていきましょう。

 

まずは、遺族年金についてです。

遺族年金は、「遺族基礎年金」に加えて、夫が会社員や公務員であれば厚生年金に加入しているので「遺族厚生年金」が受給されます。

 

「遺族基礎年金」のポイントは「18歳以下の子供がいるかどうか」です。

いない場合は保障額がゼロになりますので、注意してください。

遺族基礎年金(年額) = 779,300円 + 子の加算

(子の加算 第1子・第2子 各 224,300円、第3子以降 各 74,800円)

 

さらに、夫が厚生年金に加入していれば、「遺族厚生年金」を受けることができます。

「遺族厚生年金」は、厚生年金に加入した期間と月収により受け取ることのできる金額が変わってきます。

遺族厚生年金 = (平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 平成15年3月までの加入月数 +

平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 平成15年4月以後の加入月数) × 3/4

 

「厚生年金の加入期間が短いとほとんど遺族厚生年金がもらえないの?」と思うかもしれませんが、安心してください。

遺族厚生年金は、加入期間が300月(25年)未満の場合でも、300月と見なして計算されます。

 
夫が会社員・公務員の場合
夫が自営業の場合
夫の平均標準報酬額 (※1)
30万円 35万円 40万円
子供のいる妻
  遺族基礎年金+遺族厚生年金 (※2) 遺族基礎年金
子供3人 約 13.9万円/月 約 14.5万円/月 約 15.0万円/月 約 10.9万円/月
子供2人 約 13.3万円/月 約 13.8万円/月 約 14.3万円/月 約 10.2万円/月
子供1人 約 11.4万円/月 約 12.0万円/月 約 12.5万円/月 約 8.4万円/月
子供のいない妻
妻が40歳未満
遺族厚生年金 (※2)
支給なし
約 3.1万円/月 約 3.6万円/月 約 4.1万円/月
妻が40~64歳
遺族厚生年金 (※2) +中高齢寡婦加算 (※3)
支給なし
約 8.0万円/月 約 8.5万円/月 約 9.0万円/月
妻が65歳以上
遺族厚生年金 (※2) +妻の老齢基礎年金 妻の老齢基礎年金
約 9.6万円/月 約 10.1万円/月 約 10.6万円/月 約 6.5万円/月

※1 平均標準報酬額は賞与を含んだ月収平均

※2 厚生年金の加入年数は25年(300ヶ月)を想定。また、妻が30歳未満の場合は5年間のみ受給。

※3 中高齢寡婦加算は年額584,500円

※ 平成29年4月時点での条件にて計算

 

生命保険が無くても、これだけの金額がもらえるということをまずは頭に置いてください。

 

遺族年金のほかにどのような保障や支援を受けることができるの?

 

遺族年金以外にも、子供がいる妻を社会的に支援するための様々な仕組みがあります。

 

①「児童扶養手当」として、子供の人数と収入に応じて手当が支給されます

収入
子供の人数
1人 2人 3人 4人
57万円
42,290円
(全部支給)
52,280円
(全部支給)
58,270円
(全部支給)
64,260円
(全部支給)
95万円
35,190円
52,280円
(全部支給)
58,270円
(全部支給)
64,260円
(全部支給)
133万円
28,090円
44,070円
58,270円
(全部支給)
64,260円
(全部支給)
171万円
21,000円
35,880円
49,400円
64,260円
(全部支給)
230万円
9,980円
(最低限度額)
23,170円
35,670円
49,470円
268万円
0円
14,980円
(最低限度額)
26,820円
39,980円
306万円
0円
0円
17,980円
(最低限度額)
30,480円
344万円
0円
0円
0円
20,980円
(最低限度額)

また、表に当てはまる方は、同居する所得のある人がいない、養育費を受け取っていない、母子ともに障害がないなどの条件があります。

収入によって手当の額は変わってきますので、上の表は目安として考えてください。

 

②保障とは少し違いますが税の控除要件の一つに「寡婦控除」があります。

寡婦とはつまり、シングルマザーのことですね。

税金の計算に使用される所得から最大で35万円が控除されるため、所得税や住民税が安くなります。

 

③各自治体によりシングルマザーへ向けて様々な支援が行われています。

・住宅手当、家賃補助

・医療費の助成

・寡婦福祉資金貸付金

・など

自治体により支援内容は大きく異なりますので、自分の自治体の支援について、一度調べてみると良いでしょう。

 

④さらに夫の勤め先によっては「弔慰金」や「死亡退職金」などが支給されたり、子どもが一定の年齢に達するまでに「遺族育英年金」が支給されたりする場合もあります。

 

生命保険は必要なの?それとも無くても大丈夫?

生命保険に加入することの是非を表すイメージ

 

これまでに触れたように、たとえ生命保険がないとしてもシングルマザーは多くの社会保障や支援を受けることができることがお分かりいただけたと思います。

 

しかし、当然ながらリスクについても考える必要があります。

病気や怪我などで働けなくなる可能性もありますし、また遺族年金や各自治体による保障や支援内容は、将来的に変わるかもしれません。

 

また、人によって貯蓄、年齢、子供の人数、自治体による支援内容、親や親族の支援を受けられるか等の条件は大きく異なりますし、「生活のレベルをどこまで下げることを許容できるか」などの価値観も異なりますので、生命保険が無くても大丈夫かどうかを一概に断言するのは困難です。

 

ですので、「生命保険が必要か、必要でないか」と極端に考えるのではなく、まずは以下のように「生命保険の内容をどれだけ削っても大丈夫か」といった目線から保険を見直すのが良いでしょう。

 

保険の見直しの際には、

①社会保障や支援を加味してどこまで保障額を引き下げられるか

②ムダな特約が付いていないか

③複数の保険に入っている場合はその保障内容がダブっていないか

④妻や子が保険に入っている場合はその保険が本当に必要なのか

といった点から保険内容を見直すことをオススメします。

 

そして年齢を上がっていき、子供が手を離れたり、貯蓄に余裕ができたりすることで考え方も変わってくるはずですので、その時に改めて「生命保険が必要か、必要でないか」について考えてみるのが良いのではないでしょうか?







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